2021年08月の記事一覧

抗生物質によるPARP阻害薬耐性がん治療の可能性の画像

抗生物質によるPARP阻害薬耐性がん治療の可能性

がん治療薬の候補として、1950年代に発見された抗生物質の試験が再び行われる。 がん患者を対象としてこの薬剤(ノボビオシン)の試験を最初に行ったのは、30年前の小規模臨床試験だった。進行乳がんの若い女性にこの薬剤が効果を示し2年間生存したが
FDAが尿路上皮がんの術後療法にニボルマブを承認の画像

FDAが尿路上皮がんの術後療法にニボルマブを承認

2021年8月19日、米国食品医薬品局(FDA)は、根治切除後に再発リスクが高い尿路上皮がん患者の術後療法として、ニボルマブ(販売名:オプジーボ、Bristol-Myers Squibb Co.社)を承認した。 今回の承認は、高リスクの尿路
2020年に世界で診断されたがん患者の75万人はアルコールに起因の画像

2020年に世界で診断されたがん患者の75万人はアルコールに起因

世界保健機関(WHO)の新たな研究によると、2020年に世界で診断されたがん患者のうち、4%に相当する75万人はアルコール摂取に起因すると考えられる。そのうち過度の飲酒が最も多いが、軽度の飲酒と中程度の飲酒が10万人超を占めることが研究で明
治療歴ある転移性メラノーマでは腫瘍浸潤リンパ球の養子細胞移植の効果が低下の画像

治療歴ある転移性メラノーマでは腫瘍浸潤リンパ球の養子細胞移植の効果が低下

抗PD-1療法やBRAF/MEK阻害薬投与を受けた後に再発した転移性メラノーマ(悪性黒色腫)患者は、このような治療を受けていない患者と比較して、腫瘍浸潤リンパ球の養子細胞移植(ACT-TIL)を含む開発中の治療法に対して同等の反応を示さない
若年性大腸がんにさらなる積極的治療は不要の画像

若年性大腸がんにさらなる積極的治療は不要

49歳以前に発症した大腸がんは、50歳以降に発症した大腸がんと臨床的にも生物学的にも類似していることが、若年性大腸がんと平均的な発症年齢の大腸がんを比較した最大かつ最も包括的な評価により明らかになった。 したがって「大腸がん診断時の年齢のみ
FDAが進行または転移胆管がんにイボシデニブを承認の画像

FDAが進行または転移胆管がんにイボシデニブを承認

2021年8月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAにより承認された検査でイソクエン酸デヒドロゲナーゼ1(IDH1)変異が検出された、治療歴のある局所進行または転移胆管がんの成人患者に対して、イボシデニブ(販売名:Tibsovo、Se
悪性神経膠腫(グリオーマ)に対する放射線量の増加の画像

悪性神経膠腫(グリオーマ)に対する放射線量の増加

コクランレビュー記事が コクラン 日本語版ウェブサイト に掲載されました。 「悪性神経膠腫(グリオーマ)に対する放射線量の増加」 《実施組織》一般社団法人 日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT:ジャムティ) 『海外癌医療情報リファレンス』(
ビタミンDが若年性大腸がんを予防する可能性の画像

ビタミンDが若年性大腸がんを予防する可能性

ビタミンDを主に食事で多く摂取することが、若年性大腸がんや前がん性大腸ポリープの発症を予防する可能性がある。このような関連性が初めて研究で明らかになった。 この研究はダナファーバーがん研究所、ハーバード大学T.H.チャン公衆衛生大学院などの
大腸がん治療中および治療後の患者の身体的および精神的健康に対する身体活動介入の画像

大腸がん治療中および治療後の患者の身体的および精神的健康に対する身体活動介入

コクランレビュー記事が コクラン 日本語版ウェブサイト に掲載されました。 「大腸がん治療中および治療後の患者の身体的および精神的健康に対する身体活動介入」 《実施組織》一般社団法人 日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT:ジャムティ) 『海
FDAが慢性移植片対宿主病にBelumosudilを承認の画像

FDAが慢性移植片対宿主病にBelumosudilを承認

慢性の移植片対宿主病(GVHD)は骨髄および幹細胞移植に多い合併症であるが、このたび新たな治療法が加わった。7月16日、米国食品医薬品局(FDA)は、すでに他の治療法を2種類以上試したことがある12歳以上の人を対象に、belumosudil
希少な脳脊髄腫瘍のリスク要因とアウトカムの調査研究の画像

希少な脳脊髄腫瘍のリスク要因とアウトカムの調査研究

米国国立がん研究所(NCI)が制作した動画に、一社)日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT/ジャムティ)が日本語字幕を付けたものです。 希少な脳脊髄腫瘍に関連するアウトカムとリスク要因について研究者が理解を深めるために、米国国立衛生研究所(N
FDAがMMR機能欠損がある固形がんにdostarlimabを迅速承認の画像

FDAがMMR機能欠損がある固形がんにdostarlimabを迅速承認

2021年8月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、治療中または治療後に進行し、満足のいく代替治療の選択肢がない、FDAが承認した検査で判定されるミスマッチ修復欠損(dMMR)がある再発または進行固形がんを有する成人患者を対象に、dosta
初の進行胆管がん治療薬としてペミガチニブが英国で承認の画像

初の進行胆管がん治療薬としてペミガチニブが英国で承認

ペミガチニブ[販売名:Pemazyre(日本での販売名:ペマジール)]は、初回化学療法後に進行または転移した希少タイプの胆管がんの患者に対して、今後選択肢の一つとなるであろう。 英国国立医療技術評価機構(NICE)は、FGFR2と呼ばれる分
FDAがVHL病に伴う腎細胞がん、神経血管芽腫、膵神経内分泌腫瘍にHIF阻害薬belzutifanを承認の画像

FDAがVHL病に伴う腎細胞がん、神経血管芽腫、膵神経内分泌腫瘍にHIF阻害薬belzutifanを承認

2021年8月13日、米国食品医薬品局(FDA)は、フォンヒッペル・リンドウ病(VHL: von Hippel-Lindau)病に伴う治療が必要で即時の手術を必要としない腎細胞がん(RCC)、中枢神経系(CNS)血管芽細胞腫、膵神経内分泌腫
ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(更新)の画像

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(更新)

<目次> HPVワクチンとは何ですか。 どのような人がHPVワクチン接種を受けるべきですか。 HPVワクチンを何回接種する必要がありますか HPVワクチンはどのようにして効果を示しますか HPVワクチンはどのようにして作用しますか なぜほと
がんとは何でしょうか?(2021/5/5更新)の画像

がんとは何でしょうか?(2021/5/5更新)

米国国立がん研究所(NCI)ファクトシート  ●がんの定義 ●がん細胞と正常細胞の違い ●がんはどのようにして発生しますか ●がんの原因となる遺伝子の種類 ●がんが転移するとき ●非がん性組織変化 ●がんの種類 ――――――――――― がん
カルボプラチン強化療法によりグループ3髄芽腫の生存率が上昇の画像

カルボプラチン強化療法によりグループ3髄芽腫の生存率が上昇

放射線療法にカルボプラチンを追加することにより、グループ3型小児髄芽腫患者の5年生存率が19%上昇したことが第3相ランダム化比較試験で明らかになった。 シアトル・チルドレンズ病院のSarah Leary博士らによると、グループ3とは、統合診
乳がんのホルモン療法を3年追加しても効果はないの画像

乳がんのホルモン療法を3年追加しても効果はない

ホルモン受容体陽性がん女性において、アロマターゼ阻害薬の長期投与により転帰の改善がみられるかどうかを検討した乳がんの臨床試験で、治療を3年追加しても効果はみられないとの結論が示された。 閉経後の参加者3,484人は、登録時にすでに5年間の術
進行上皮性卵巣がん患者に、手術前の化学療法を行うことによって生存期間または生活の質が改善するかの画像

進行上皮性卵巣がん患者に、手術前の化学療法を行うことによって生存期間または生活の質が改善するか

コクランレビュー記事が コクラン 日本語版ウェブサイト に掲載されました。 「進行上皮性卵巣がん患者に、手術前の化学療法を行うことによって生存期間または生活の質が改善するか」 《実施組織》一般社団法人 日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT:
LGBTQ患者に対するがんケアの改善に向けての画像

LGBTQ患者に対するがんケアの改善に向けて

英国には、LGBTQ+(レズビアン(lesbian)、ゲイ(gay)、バイセクシャル(bisexual)、トランスジェンダー(transgender)、クィア、クエスチョニング( queer or questioning)の総称)に属してい
スタチンがトリプルネガティブ乳がんの生存期間を延長する可能性の画像

スタチンがトリプルネガティブ乳がんの生存期間を延長する可能性

スタチンとして一般に知られているコレステロール降下薬とトリプルネガティブ乳がん患者の生存率に有意な関連があることが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの主導による研究でわかった。スタチンは安価で、入手しやすく、副作用も軽微であることか
糖尿病の診断が膵臓がんの早期発見に役立つ可能性の画像

糖尿病の診断が膵臓がんの早期発見に役立つ可能性

54歳のBob Aronsonは、息子のTomいわく「非常に健康」だった。 「だから年に一度の眼科の定期検査で、医師から糖尿病の疑いがあると言われた時には、誰もが驚きました」とTomは振り返る。 糖尿病と診断されたBobは通常の日常生活に戻
FDAが進行腎細胞がんにペムブロリズマブとレンバチニブの併用を承認の画像

FDAが進行腎細胞がんにペムブロリズマブとレンバチニブの併用を承認

2021年8月10日、米国食品医薬品局(FDA)は、進行腎細胞がん(RCC)成人患者の一次治療として、ペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ、メルク社)とレンバチニブ(販売名:レンビマ、エーザイ社)の併用を承認した。 本療法の有効性は、一次
研究ハイライト2021/7/14:急性骨髄性白血病、肺がん治療ワクチン、トリプルネガティブ乳がんの画像

研究ハイライト2021/7/14:急性骨髄性白血病、肺がん治療ワクチン、トリプルネガティブ乳がん

急性骨髄性白血病マウスモデルにより併用療法が有望であることが示される 急性骨髄性白血病(AML)は骨髄に生じるがんである。治療にはタンパク質Bcl-2を標的とする薬剤であるベネトクラクスを低メチル化剤と併用することが多いが、ベネトクラクスへ