FDAがMMR機能欠損がある固形がんにdostarlimabを迅速承認

2021年8月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、治療中または治療後に進行し、満足のいく代替治療の選択肢がない、FDAが承認した検査で判定されるミスマッチ修復欠損(dMMR)がある再発または進行固形がんを有する成人患者を対象に、dostarlimab[ドスタルリマブ](販売名:Jemperli、GlaxoSmithKline LLC社)を迅速承認した。

また、本日、FDAはベンタナMMR RxDxパネルを、dMMR固形がん患者の中からドスタルリマブ適応患者を選択するためのコンパニオン診断薬として承認した。

ドスタルリマブの有効性は、非ランダム化、多施設共同、非盲検、複数コホート試験であるGARNET試験(NCT02715284)で評価された。本試験には、全身療法後に進行し、満足のいく代替療法がないdMMR再発または進行固形がん患者209人が含まれていた。

有効性の主要評価項目は、RECIST 1.1に基づいて盲検下の独立中央審査で評価された奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)であった。ORRは41.6%(95%信頼区間[CI]:34.9、48.6)で、完全奏効率は9.1%、部分奏効率は32.5%であった。DORの中央値は34.7カ月(範囲:2.6~35.8+)で、95.4%の患者が6カ月以上の奏効期間を有していた。

dMMR固形がん患者に最もよくみられた副作用(20%以上)は、疲労/無力感、貧血、下痢、および悪心であった。最もよくみられたグレード3または4の副作用(2%以上)は、貧血、疲労/無力感、トランスアミナーゼ上昇、敗血症、急性腎障害であった。また、ドスタルリマブの免疫関連副作用として、肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌障害、腎炎、皮膚毒性がある。

ドスタルリマブの推奨投与量は、1回目から4回目までは500mgを3週間ごとに、4回目の投与の3週間後からは、1,000mgを6週間ごとに投与し、30分かけて点滴静注する。

Jemperliの全処方情報はこちらを参照。

翻訳担当者 後藤若菜

監修 東光久(総合診療、腫瘍内科、緩和ケア/福島県立医科大学白河総合診療アカデミー)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

FDAニュースに関連する記事

FDAがデスモイド腫瘍にニロガセスタットを承認の画像

FDAがデスモイド腫瘍にニロガセスタットを承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年11月27日、米国食品医薬品局(FDA)は全身治療を必要とする進行性のデスモイド腫瘍の成人患者を対象にニロガセスタット[nirogacestat](...
FDAがフルベストラント併用で乳がん治療薬カピバセルチブを承認の画像

FDAがフルベストラント併用で乳がん治療薬カピバセルチブを承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年11月16日、米国食品医薬品局(FDA)は、転移病変に対し1つ以上のホルモン療法レジメンで進行または術後療法終了後12カ月以内に再発したホルモン受容...
FDAが遠隔転移を有する難治性大腸がんにフルキンチニブを承認の画像

FDAが遠隔転移を有する難治性大腸がんにフルキンチニブを承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年11月8日、米国食品医薬品局(FDA)は、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンをベースとする化学療法、抗VEGF療法、およびRAS野生...
FDAが上咽頭がんにトリパリマブを承認の画像

FDAが上咽頭がんにトリパリマブを承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年10月27日、米国食品医薬品局(FDA)は、転移性または再発性の局所進行上咽頭癌(NPC)の成人患者に対する一次治療として、シスプラチンおよびゲムシ...