FDAがHR陽性HER2陰性転性移乳がんの初回治療にアベマシクリブを承認

FDAがHR陽性HER2陰性転性移乳がんの初回治療にアベマシクリブを承認

米国食品医薬品局(FDA)は2018年2月26日、abemaciclib[アベマシクリブ](商品名:Verzenio[ベージニオ]、Eli Lilly社)を、アロマターゼ阻害剤との併用において、ホルモン受容体(HR)陽性ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)陰性の進行または転移性乳がんを有する閉経後女性の初回内分泌療法として承認した。

承認は、HR陽性HER2陰性の進行または転移性乳がんを有する閉経後女性を対象としたMONARCH3試験(無作為化2:1、二重盲検、プラセボ比較、多施設試験)に基づいている。合計493人の患者を、アベマシクリブ150mgまたはプラセボを1日2回服用する群に無作為に割り付け、さらに医師の選択によりレトロゾールまたはアナストロゾールのいずれかを併用した。推定無増悪生存期間中央値(PFS)(RECIST 1.1)はアベマシクリブを服用した患者では28.2カ月(95% CI:23.5, 未到達)、プラセボを服用した患者では14.8カ月(95% CI: 11.2, 19.2)であった(HR 0.540; 95% CI: 0.418, 0.698; p<0.0001)。

MONARCH3試験において、アベマシクリブ服用患者の20%以上に多くみられた有害反応で、プラセボ群よりも2%以上多かったのは、下痢、好中球減少、疲労、感染、悪心、腹痛、貧血、嘔吐、脱毛、食欲低下および白血球減少であった。

アロマターゼ阻害剤との併用によるアベマシクリブの推奨初期投与量と用法は、食事の有無にかかわらず150mgを1日2回経口摂取である。

添付文書の全文は以下で閲覧可能:

https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2018/208855s000lbl.pdf.

FDAは本申請に優先審査を適応した。FDAの迅速承認プログラムは企業向けガイダンス:「重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)」に記載されいる:

http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf.

医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象を認めた場合、すべてFDAのMedWatch報告システムに報告しなければならない。この報告は、オンラインフォームへの入力(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、オンラインで提供されている料金支払い済み宛名フォームのファックス(1-800-FDA-0178)か郵送、または電話(1-800-FDA-1088)にて行う。

翻訳担当者 小縣正幸

監修 田原梨絵(乳腺科、乳腺腫瘍内科)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

乳がんに関連する記事

【ASCO26】GLP-1受容体作動薬が特定の肥満関連がんの転移進行を抑制する可能性の画像

【ASCO26】GLP-1受容体作動薬が特定の肥満関連がんの転移進行を抑制する可能性

ASCOの見解(引用)「GLP-1受容体作動薬は、単なる血糖降下薬ではありません。その抗炎症作用や免疫調節作用から、以前からより広範な効果が示唆されていました。ここで注目すべき...
【ASCO26】減量プログラムにより乳がん患者の身体機能と生活の質が向上の画像

【ASCO26】減量プログラムにより乳がん患者の身体機能と生活の質が向上

ASCOの見解(引用)「私たちは長年にわたり、過体重または肥満のステージ2~3の乳がん患者に対し、体系的なプログラムをほとんど提供することなく減量を勧めてきました。乳がん減量(...
液体生検、代謝リスク、アジア人向け個別化治療【ASCOブレイクスルー会議2026】の画像

液体生検、代謝リスク、アジア人向け個別化治療【ASCOブレイクスルー会議2026】

米国臨床腫瘍学会(ASCO)のASCO Breakthrough(ブレイクスルー)会議では、世界中の腫瘍専門家がアジアに集まり、患者ケアの未来を形作る最新のがん研究成果について議論する...
米FDAが一部の進行/転移乳がんにベプデゲストラントを承認 の画像

米FDAが一部の進行/転移乳がんにベプデゲストラントを承認 

2026年5月1日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDA承認済み検査でエストロゲン受容体(ER)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性、ESR1変異陽性が確認された進行/転移乳...