VEGFおよびc-METの二重阻害により癌の転移が減少する可能性

VEGFおよびc-METの二重阻害により癌の転移が減少する可能性

VEGFおよびc-METの二重阻害により癌の転移が減少する可能性

VEGF阻害が腫瘍中のc-MET発現を増加
癌細胞の浸潤と転移をVEGFとc-METの阻害によってブロック
VEGFとc-METの二重阻害剤は臨床試験の最終段階に

フィラデルフィア— VEGF(血管内皮細胞増殖因子)とc-METシグナル伝達の二重阻害が膵神経内分泌腫瘍の動物実験モデルで癌細胞の浸潤と転移を抑制したことが、米国癌学会の学会誌であるCancer Discovery誌の最新号で発表された。

「VEGFに加えc-METのシグナル伝達を阻害した結果、癌細胞の増殖を遅らせ浸潤・転移を減少させた」とDonald M. McDonald氏(the University of California San Francisco Comprehensive Cancer Center教授/医学博士)は語った。

先行研究では、ベバシズマブまたはスニチニブでVEGFのシグナル伝達を阻害すると、浸潤・転移の増加を始めとする多くの副作用を引き起こし得ることが示されている。

抗VEGF治療により癌の浸潤・転移を促すとされてきたc-METの発現が上昇するかどうかについては、これまで実証されていなかった。これを明らかにすることを目的としてMcDonald氏と研究班は2段階の実験を実施した。膵神経分泌腫瘍の遺伝子改変マウスを抗VEGF抗体で治療したところ、腫瘍は小さくなったが浸潤・転移は拡大した。この治療は腫瘍の低酸素状態とc-METの発現と活動レベルを上昇させた。

しかしながら、VEGFとc-METシグナル伝達が両方同時に抑制されているときには、浸潤・転移の減少がみられた。研究班は3つのc-MET阻害剤を使用した。クリゾチニブとPF-04217903(VEGFではなくc-METを標的とする薬)、そしてVEGFとc-METシグナル伝達を二重阻害するカボザンチニブである。

McDonald氏は膵神経分泌腫瘍の研究を行った理由として、同腫瘍の遺伝子改変マウスモデルが広く研究され、別の腫瘍への影響も観察されてきたことをあげている。

また同氏は「本研究の目的はある一つのメカニズムを明らかにすることであり、この効果が膵臓癌に限られたものであるという徴候はない」とも語った。

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翻訳担当者 遠藤豊子

監修 畑 啓昭(消化器外科/京都医療センター)

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