米国臨床腫瘍学会(ASCO)消化器がんシンポジウム2024演題

米国臨床腫瘍学会(ASCO)

2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)消化器がんシンポジウムの公式プレス発表で、消化器がんの新たな治療法を検討した6つの試験が注目されている。大腸がんにおける循環腫瘍DNA(ctDNA)や、膵臓がん、肝臓がん、食道がんに対する新たな治療法などの研究である。プレス発表に掲載された試験は、シンポジウムで発表される750以上の演題の一部である。

2024年ASCO消化器がんシンポジウムは、1月18〜20日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催され、オンラインでも公開される。世界の消化器がん研究者が一堂に会し、この分野における影響力のある最新の科学と解決志向の戦略を議論する。

大半の演題抄録は、2024年1月16日(火)午後5時(米国東部時間)にASCO.org/gi-abstractsで一般公開される。レイト・ブレーキング・アブストラクト(LBA:当日発表演題)は、シンポジウムでの発表当日の午前10時(米国東部時間)に一般公開され、その時点で公開制限が解除される。以下のアブストラクトに関するプレスリリースが、本シンポジウムを取材する記者に公開される。

  • 切除不能肝臓がん患者を対象に、肝動脈化学塞栓療法とデュルバルマブ(販売名:イミフィンジ)+ベバシズマブ(販売名:アバスチン)の併用療法、肝動脈化学塞栓療法とデュルバルマブの併用療法を評価した第3相EMERALD-1試験の成績(アブストラクトLBA432)
  • グレード2および3の進行高分化型膵・消化管神経内分泌腫瘍と新たに診断された患者を対象に、[177Lu]Lu-DOTA-TATEを検討した第3相NETTER-2試験の一次解析結果(アブストラクトLBA588)
  • 高頻度マイクロサテライト不安定性/ミスマッチ修復機能欠損があり、転移を有する大腸がんに対するニボルマブ(販売名:オプジーボ)+イピリムマブ(販売名:ヤーボイ)併用療法を化学療法と比較した、第3相CheckMate 8HW試験の初期結果(アブストラクトLBA768)
  • ステージ2大腸がん患者における術後補助化学療法の予測バイオマーカーとしてctDNAを評価した第2相COBRA試験の中間解析結果(アブストラクト5)
  • 大腸がん患者におけるctDNA動態を検討したGALAXY試験の最新解析結果(アブストラクト6)
  • 食道がん患者の初回治療としてチラゴルマブ+アテゾリズマブ(販売名:​​テセントリク)と化学療法を評価した第3相試験の結果(アブストラクト245)
  • 監訳 泉谷昌志(消化器内科、がん生物学/東京大学医学部附属病院)
  • 翻訳担当者 工藤章子
  • 原文を見る
  • 原文掲載日 2023/12/19

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

消化器がんに関連する記事

二重特異性免疫チェックポイント阻害薬カドニリマブはPD-L1発現に関係なく胃がん生存率を改善の画像

二重特異性免疫チェックポイント阻害薬カドニリマブはPD-L1発現に関係なく胃がん生存率を改善

PD-1/CTLA-4二重特異性抗体cadonilimab(カドニリマブ)と化学療法の併用は、PD-L1低値腫瘍患者を含む、未治療のHER2陰性局所進行または転移性胃/胃食道接合部がん...
膵臓がんの治験用RNAワクチンに対する免疫応答は、臨床的有用性と相関の画像

膵臓がんの治験用RNAワクチンに対する免疫応答は、臨床的有用性と相関

中央値3年間の追跡調査結果切除可能な膵臓がんの特定の患者において、autogene cevumeran(オートジーン セブメラン:治験中の個別化されたネオアンチゲン特異的mRN...
TP53変異陽性がんにトリフルリジン・チピラシルとタラゾパリブの併用は有望の画像

TP53変異陽性がんにトリフルリジン・チピラシルとタラゾパリブの併用は有望

研究者らは、TP53遺伝子に変異があるがん細胞を選択的に殺す薬剤組み合わせを特定した。その遺伝子変異は、大半の大腸がんや膵臓がんなど、あらゆるがん種の半数以上にみられる。

NCIが一部資...
大腸がんの増殖にFusobacterium nucleatum亜型が最大50%関連の画像

大腸がんの増殖にFusobacterium nucleatum亜型が最大50%関連

フレッドハッチンソンがん研究センターNature誌に発表された研究によると、Fusobacterium nucleatumの亜型がヒトの大腸がん増殖の根底にあり、スクリーニングや治療に...