進行性肝細胞癌治療としてのエロキサチン+ゼローダ併用療法

キャンサーコンサルタンツ
2007年10月

エロキサチン(オキサリプラチン)とゼローダ(カペシタビン)の併用療法は進行性肝細胞癌に有効であるとフランスの研究者らが報告した。本試験の詳細については、2007年10月1日に発行のBritish Journal of Cancer誌に掲載されている。

進行性肝細胞癌患者には有効な治療オプションがほとんどなく、ドキソルビシンが主要な化学療法薬であった。多施設国際共同臨床試験で、ネクサバール〔Nexavar〕(ソラフェニブ〔sorafenib〕)とドキソルビシンの併用療法はドキソルビシン単独療法よりも効果があることが示された。

最新の臨床試験で進行性肝細胞癌患者50例にエロキサチンとゼローダの併用療法を行って評価したところ、3例に部分寛解、29例に疾患の安定がみられ、病勢コントロール率は72%であった。生存期間中央値は9.3ヶ月、無増悪生存期間は4.1ヶ月であった。無増悪生存率は1年後で14%であった。エロキサチンとゼローダの併用療法にはわずかだが抗腫瘍効果があり、毒性も管理可能であると著者らは示唆している。

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翻訳担当者 舛田 理恵

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

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