米FDAが局所進行直腸がんにドスタルリマブを迅速承認

米FDAが局所進行直腸がんにドスタルリマブを迅速承認

2026年10月19日、米国食品医薬品局(FDA)は、ステージII/IIIの局所進行直腸がん(LARC)の成人患者のうち、固形腫瘍に対するFDA承認済み検査によって高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機能欠損(dMMR)と判定された患者を対象に、dostarlimab[ドスタルリマブ](販売名:Jemperli[ジェンペルリ]、GSK社)を迅速承認した。
 
ジェンペルリの詳細な処方情報は、Drugs@FDAに掲載される。
 
有効性は、多施設共同単群非盲検試験のAZUR-1(NCT05723562)で評価された。同試験では、未治療で組織学的に確認されたMSI-H/dMMR、ステージII/IIIの局所進行直腸がん患者154人を対象とした。患者に対し、3週間ごとに9サイクルにわたってドスタルリマブ500 mgを静脈内投与し、許容できない毒性または病勢進行が認められるまで継続した。腫瘍反応は、6週目、12週目、および治療完了後約3週間後に、内視鏡検査、直腸MRI、および胸部、腹部、骨盤のCTスキャンを組み合わせて評価された。最初の2回の治療後評価のいずれかで臨床的完全奏効(cCR)を達成した患者は、非手術管理期間に入り、最初の2年間は4カ月ごと、その後は6カ月ごとに定期的な多角的評価を実施して再発を綿密に監視した。cCR(臨床的完全奏効)が得られなかった患者、または疾患が再発もしくは進行した患者については、治験担当医師の判断により標準治療管理の対象となるかどうかが評価された。
 
主要有効性評価項目は、独立中央判定(ICR)による12カ月持続的臨床的完全奏効(cCR12)であった。これは、ドスタルリマブ最終投与後最初の疾患評価で臨床的完全奏効(cCR)が認められた時点から評価した。その他の有効性評価項目には、治験担当医師による評価に基づくcCR12、およびICRと治験担当医師による客観的奏効率(ORR)が含まれた。
 
治療を受けた154人の患者のうち、110人(71%)はドスタルリマブのみで治療され、その他追加の治療を受けず、病勢進行は認められなかった。26人(17%)は手術を受け(追加の薬物療法または放射線療法の有無を問わない)、13人(8%)は追加の薬物療法または放射線療法を受けた。1人(0.6%)は病勢進行が認められたが、それ以上の治療をしなかった。4人(2.5%)は治療を中止するか、追跡不能となった。ICRで評価可能な患者116人では、cCR12は47%(95% CI:27%~56%)であった。さらに、ICRによるcCRを達成し、データカットオフ時点で追跡期間が12カ月未満の患者は38人(33%)であり、near CR(nCR)を達成した患者は44人(38%)であった。追跡期間の中央値は26.3カ月で、cCR12、cCR、nCRの患者で病勢進行が認められた患者はいなかった。ICRによるORRは79%(95% CI:71%~85%)であった。治験担当医師が評価可能な患者144人では、cCR12率は68%(95% CI:60%~76%)、ORRは82%(95% CI:75%~88%)であった。ドスタルリマブ単剤投与後に画像所見から不完全奏効が示唆されて手術を受けた患者15人のうち、12人で病理学的完全奏効が報告された。
 
さらに、FDAは、治験担当医師主導の多施設共同単群非盲検試験(NCT04165772)を審査した。同試験では、未治療のMSI-H/dMMRステージII/III局所進行直腸がん患者50人を対象に、ドスタルリマブ500 mgを3週間ごとに9サイクル静脈内投与した。cCR12率は93%(95% CI:82%~99%)、ORRは100%(95% CI:93%~100%)であった。局所進行直腸がんの治療の一環として、化学放射線療法や直腸がん手術を受けた患者はいなかった。3年間以上追跡調査された患者27人のうち、1人がリンパ節郭清による治療を要する局所再発を起こし、1人が試験から脱落し、1人が試験対象疾患とは無関係に死亡した。
 
添付文書には、免疫介在性副作用、輸液関連反応、同種造血幹細胞移植の合併症、および胚・胎児毒性に関する警告と注意事項が含まれている。
 
ドスタルリマブの推奨用量は、3週間ごとに1回500 mgであり、病勢の進行または許容できない毒性が現れるまで、最長9サイクル継続する。

  • 記事担当 仲里芳子
  • 監修 中村能章(消化管悪性腫瘍/オックスフォード大学腫瘍部門)
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  • 原文掲載日 2026/10/19

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