オンコタイプDXの再発スコアによりリンパ節転移陽性でエストロゲン受容体陽性乳癌の局所再発予測

キャンサーコンサルタンツ

メリーランド州ナショナルハーバーで開催された腫瘍外科年次癌シンポジウムの2013年大会で発表された試験結果によれば、補助ホルモン療法および化学療法を受けたリンパ節転移陽性でエストロゲン受容体(ER)陽性患者において、オンコタイプDX®の再発スコア(RS)は局所再発の確実な予測因子である。

初期の乳癌女性患者において、ある遺伝子の発現または活性化は癌再発の可能性と関連している。オンコタイプDXは、特定の初期乳癌患者の再発リスクを予測する遺伝子検査である。試験では腫瘍組織標本中の21の遺伝子が検討され、RSが決定された。RSに基づく情報は、治療方針を決定するのに役立つ。

NSABP B-28として知られる臨床試験の一部として、ホルモン療法および化学療法を受けた1065人のER陽性でリンパ節転移陽性の乳癌患者の腫瘍標本が分析された。

中央値が11.2年の追跡期間後に、80人の患者に局所再発(68%)または近傍リンパ節再発(32%)があった。局所再発の10年の累積発現率は、RSが低い患者で3.3%、中程度の患者で7.2%および高い患者で12.3%であった。

これらの結果より、化学療法およびホルモン療法を受けたER陽性でリンパ節転移陽性の女性患者の再発リスクおよび生存転帰が、オンコタイプDXのRSから予測されることが示された。高リスクの女性には、さらに徹底的な治療または臨床試験の登録が有益かもしれない。

試験結果から、ホルモン療法および化学療法を受けた特定のリンパ節転移陽性患者おいて、オンコタイプDXが放射線療法の調整をするうえで有用であることが示唆された。患者のリスクを評価することは、医師が最も適切な治療計画を決める手段となりうる。

参考文献:
Mamounas EP, Tang G, Paik S, et al. The 21-gene recurrence score (RS) predicts risk of loco-regional recurrence (LRR) in node (+), ER (+) breast cancer (BC) dfter adjuvant chemotherapy and tamoxifen: Results from NSABP B-28. Ann Surg Oncol (2013) 20:S6-S164. Abstract 2.


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翻訳担当者 木下秀文

監修 林 正樹 (血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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