術前化学療法後の乳癌の局所再発リスクは予測できる

術前化学療法後の乳癌の局所再発リスクは予測できる

キャンサーコンサルタンツ
2006年10月

M.D. アンダーソンがんセンターの研究者らは、術前化学療法および放射線療法後に乳房温存療法(BCT)を受けた女性における、乳癌局所再発を予測する予後指数を開発した、と発表した。本試験の詳細は2006年10月発行のInternational Journal of Radiation Oncology * Biology * Physicsに掲載されている。

術前化学療法は、ステージⅢ乳癌患者の初回治療とされており、ⅡAおよびⅡB乳癌患者にもしばしば用いられる。これは大きな乳癌をダウンステージし、より乳房温存療法に適合させるために、米国で主に用いられている方法である。しかし、乳房切除術よりも乳房温存療法の方が局所再発率が高い、というエビデンスがある。

本試験に参加した研究者らは、患者を1から4のスケールで段階づける予後指数を開発した。以下に示される因子は、それぞれ1ポイントとしてスコアに数えられる。

●臨床分類N2からN3である
●リンパ節浸潤がある
●病理診断による大きさが2cmを超える
●多発乳癌の残存である

彼らは、術前化学療法および放射線療法後に乳房切除術もしくは乳房温存療法を行った場合の局所再発率を調べた。下記の表は、各リスクグループにおいて10年間局所再発が見られなかった割合を示す。

表1:リスクグループ別、10年間局所再発が見られなかった割合

予後スコア乳房切除術温存療法
095% (n=83)95% (n=157)
193% (n=196)93% (n=119)
288% (n=137)72% (n=43)
3-481% (n=68)39% (n=12)

この研究で、患者の60%は予後スコア0から1であった。このデータは、このグループの温存療法後の局所再発率が9%であることを示す。このように、多くの患者が温存療法を受けたが、局所再発の顕著な増加はみられなかった。予後スコア3から4の患者は、再発率が61%であったため、乳房切除術を受けなければならない。予後スコア2の患者は、再発率に統計的有意差が認められなかったため、他のグループと比べて問題が多い。

コメント

これらのデータは、限局性乳癌に対する術前化学療法後にどの種の手術が行われるべきかを決定するために有用である。

参考文献
Huang EH, Strom EA, Perkins GH, et al. Comparison of risk of local-regional recurrence after mastectomy or breast conservation therapy for patients treated with neoadjuvant chemotherapy and radiation stratified according to a prognostic index score. International Journal of Radiation Oncology * Biology * Physics. 2006;66:352-357.


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翻訳担当者 大澤 敬子

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