HER2陽性進行性乳癌に対してT-DM1の効果が期待できる

HER2陽性進行性乳癌に対してT-DM1の効果が期待できる

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HER2陽性転移性乳癌の女性患者において、ハーセプチン(トラスツマブ)と化学療法剤を結合した被験薬のトラスツマブ・エムタンシン(T-DM1)は、標準の化学療法+ハーセプチンと比較して無増悪生存期間を延長した。第2相臨床試験の結果は2011 年の欧州合同癌学会 で発表された。

乳癌の約20〜25%にHER2蛋白の過剰発現(過剰な産生)が認められる。ハーセプチン等のHER2標的療法により、HER2陽性乳癌の患者の転帰は著しく改善したが、研究者らは引き続き新しい治療法を調査している。

T-DM1はハーセプチンと化学療法剤(DM1)を結合させたものである。T-DM1はハーセプチンとDM1をHER2陽性細胞に直接運び、体の他の箇所が化学療法に曝露されるのを制限する。

HER2陽性転移性乳癌の初期治療におけるT-DM1を評価するために、研究者らは137人の女性に対して第2相臨床試験を実施した。試験参加者らはT-DM1またはハーセプチンとタキソテール(ドセタキセル)による治療を受けた。

  • 無増悪生存期間は、T-DM1投与群の女性では14.2カ月、ハーセプチンとタキソテール投与群の女性では9.2カ月だった。
  • T-DM1は、癌の進行を遅らせることに加えて、患者らの忍容性がより高くもあった。T-DM1投与群の女性の7.2%、ハーセプチンとタキソテール投与群の女性の28.8%において副作用により治療が中止された。

これらの結果は、T-DM1がHER2陽性進行性乳癌の治療として安全で有効であることを示している。継続中の第3相試験の結果は、この薬剤に関して更なる情報を提供することになるだろう。

参考文献:

Hurvitz S, Dirix L, Kocsis J et al. Trastuzumab emtansine (T-DM1) vs trastuzumab plus docetaxel (H+T) in previously untreated HER2-positive metastatic breast cancer (MBC): primary results of a randomized, multicenter, open-label phase II study (TDM4450g/BO21976). Presented at the 2011 European Multidisciplinary Cancer Conference. Stockholm, Sweden. September 23-27, 2011. Abstract 5001.


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翻訳担当者 菊池 愛

監修 林 正樹(血液・腫瘍内科)

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