ペムブロリズマブ術前療法がMSI-H/dMMR固形がんの転帰を改善

【MDアンダーソンがんセンター研究ハイライト 2023/01/11】より


MSI-H/dMMR固形がんにおいて術前免疫療法が可能性を示す

免疫チェックポイント阻害薬であるペムブロリズマブ(販売名:キイトルーダ)は、進行した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機能欠損(dMMR)固形がん患者における臨床転帰を有意に改善する。術前療法により、免疫療法の効果が治療の早い段階で発揮され、患部臓器の外科的切除を免れる可能性がある。Kaysia Ludford医師とMichael Overman医師が主導した試験において、研究者らは、限局性の切除可能または高リスクの切除可能なMSI-H/dMMR固形腫瘍の患者に対する術前療法としてのペムブロリズマブを評価した。評価可能な33人の患者において、最良総合効果(奏効率)は82%であった。病理学的完全奏効率は手術を受けた17人の患者で65%であり、残りの18人の患者はペムブロリズマブを継続投与し、持続的な奏効が得られた。今回の結果は、術前療法としてのペムブロリズマブが安全で、限局性のMSI-H/dMMR腫瘍の患者に有益である可能性を示しており、この治療法をさらに検討すべきであることが示唆される。詳細はJournal of Clinical Oncology誌に掲載されている。

MDアンダーソンがんセンター研究ハイライト 2023/01/11:術前免疫療法の良好な結果、肺がん治療抵抗性に関する知見、子宮頸がん・乳がん治療の進展などを特集

テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究ハイライトでは、MDアンダーソンの専門家による最近の基礎、トランスレーショナルおよび臨床のがん研究を紹介している。最近の進展は、特定のDNA修復欠損を有する固形がんに対する術前免疫療法の有望な結果、治療抵抗性EGFR変異肺がん対する新しい治療標的、core binding factor 急性骨髄性白血病の予後因子に関する考察、多倍体がん巨細胞内の核分裂に関する新しい知見、再発神経内分泌子宮頸がんにおける3剤併用療法の有用性を示す後ろ向き解析、低異形度漿液性卵巣がんの包括的な分子特性解析、転移性小葉乳がんのさまざまなサブタイプにおける標的療法と内分泌療法の有用性などである。

  • 監訳 石井一夫(計算機統計学/公立諏訪東京理科大学工学部 情報応用工学科)
  • 翻訳担当者 河合加奈
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  • 原文掲載日 2023/01/11

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