KRAS阻害薬アダグラシブ、非小細胞肺がんにおいて奏効率43%を示す
KRAS変異陽性、非小細胞肺がん患者を対象として、KRAS-G12C阻害薬であるadagrasib[アダグラシブ](600 mgを1日2回経口投与)を検討したKRYSTAL-1試験第2相の結果が明らかになった。
測定可能な病変を有する患者112人において、追跡期間中央値12.9カ月での奏効率は42.9%、奏効持続期間中央値は8.5カ月、無増悪生存期間中央値は6.5カ月であった。追跡期間中央値15.6カ月での全生存期間の中央値は12.6カ月であった。
すべての患者は治療歴があり、98%が化学療法と免疫療法のいずれも受けていた。
中枢神経系への転移が安定していた患者は33人であり、これらの患者の頭蓋内奏効率は33.3%であった。KRAS-G12C変異を有する非小細胞肺がん患者のうち、42%もの割合で中枢神経系転移を有し、これらの患者の全生存期間の中央値は約5カ月であった。
グレード3以上の有害事象の発現割合は、44.8%であった。投与を受けたほぼすべての患者で1件以上の有害事象が認められたが、adagrasibの投与中止に至った副作用の発生割合はわずか6.9%であった。
Adagrasibは、Mirati Therapeutics社が開発している。
出典: The New England Journal of Medicine誌 2022年6月3日
日本語記事監修 :川上正敬(肺癌・分子生物学/東京大学医学部附属病院 呼吸器内科)
翻訳担当者 岩見俊之
原文掲載日
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