FDAが進行非小細胞肺がんにKRAS G12C阻害薬ソトラシブを承認

2021528日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが認可した検査でKRAS G12C変異が認められる局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の全身治療歴のある患者を対象に、RAS GTPaseファミリー阻害薬であるソトラシブ(販売名:LumakrasAmgen, Inc.社)を迅速承認した。

FDAはまた、Lumakrasのコンパニオン診断薬として、therascreen® KRAS変異検出RGQ 「キアゲン」(組織)およびGuardant360® CDx(血漿)を承認した。血漿検体で変異が検出されない場合は、腫瘍組織を検査する必要がある。

本承認は、KRAS G12C変異陽性の局所進行または転移性NSCLC患者を対象とした多施設共同単群非盲検試験であるCodeBreaK 100試験(NCT03600883)に基づく。有効性は、一種類以上の全身治療を受けた後に病勢進行した124人の患者で評価された。患者に病勢進行、または忍容できない毒性が認められるまで、ソトラシブ 960mgを毎日経口投与した。

主要有効性評価項目は、RECIST規準第1.1版を用いた盲検下独立中央評価による奏効率(ORR)と奏効期間であった。ORR36%(95%信頼区間 (CI)28%、45%)で、奏効期間の中央値は10カ月(範囲1.3か月~11.1か月)であった。

最もよくみられた副作用(20%以上)は、下痢、筋骨格痛、悪心、疲労、肝毒性、咳であった。また、最もよくみられた臨床検査値異常(25%以上)は、リンパ球減少、ヘモグロビン減少、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、カルシウム減少、アルカリホスファターゼ増加、尿蛋白増加、ナトリウム減少であった。

ソトラシブの推奨用量は食事の有無にかかわらず、11960mgを経口投与である。

今回承認された960mgの用量は、入手可能な臨床データに加え、承認用量を裏付ける薬物動態学的および薬力学的モデルに基づいている。今回の迅速承認の評価の一環として、FDAは、より低用量で同様の臨床効果が得られるかを調査するため、製造販売後臨床試験の実施を求めている。

Lumakrasの全処方情報はこちらを参照。

翻訳担当者 中島節

監修 田中謙太郎(呼吸器内科、腫瘍内科、免疫/九州大学病院 呼吸器科)

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