進展型小細胞肺がん初回治療にアテゾリズマブ+化学療法が有望な結果

進展型小細胞肺がんの初回治療においてアテゾリズマブと化学療法の併用が、無増悪生存および全生存を改善することが明らかに

2018年6月25日、第3相IMpower133試験が初めての中間解析で、主要評価項目である無増悪生存(PFS)および全生存(OS)の改善を達成したと、ロシュ社が発表した。この試験は、アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)と、カルボプラチンおよびエトポシドの化学療法の併用による一次治療が、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者のPFSおよびOSを延長することを明らかにした。アテゾリズマブと化学療法の併用の安全性はすでに知られているそれぞれの薬剤プロファイルと一致し、併用による新たな安全性シグナルは確認されなかった。この情報は、今後、学会で発表される予定である。

IMpower133試験は、免疫療法をベースとした併用療法が進展型小細胞肺がん初回治療において無増悪生存(PFS)および全生存(OS)改善を検証する初めての第3相試験である。過去20年間、ES-SCLC患者に対する治療はほとんど進歩がなかった。データは、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)など、全世界の保健機関に提出される予定である。

アテゾリズマブ併用療法が各種の進行肺がんの治療に有効である可能性を示すエビデンスが増えており、IMpower133試験の結果もその一つとなる。本試験は、肺がんを対象としてアテゾリズマブの併用療法を評価し、ポジティブな結果が得られた第3相試験としては今年4番目で、全体ではポジティブな結果が得られた5番目の試験になる。現在、ロシュ社は、各種の肺がんに対してアテゾリズマブ単剤療法または他の薬剤との併用療法を評価する第3相試験を8件実施中である。

IMpower133は第3相多施設共同二重盲検ランダム化プラセボ対照試験で、未治療の進展型小細胞肺がん患者に対するアテゾリズマブとカルボプラチン+エトポシドの併用療法と化学療法単独(カルボプラチン+エトポシド)の効果および安全性を比較する。この試験には403人が登録され、アテゾリズマブとカルボプラチン+エトポシドの併用投与を受けるグループ(A群)とプラセボとカルボプラチン+エトポシドの併用投与を受けるグループ(B群、対照群)に1:1の割合で割付けられた。

治療導入期では、1サイクル21日の治療を4サイクル実施し、その後、維持療法としてアテゾリズマブまたはプラセボの投与を、RECIST v1.1(固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン第1.1版)による評価が病勢進行(PD)となるまで続けた。治療は、放射線画像診断で病勢進行と認められるか、症状悪化が認められるまで継続可能とした。

本試験の主要評価項目は、ITT解析集団において医師がRECIST v1.1を用いて評価した無増悪生存(PFS)および全生存(OS)であった。IMpower133試験は、試験プロトコルに定められた主要評価項目であるOSおよびPFSを達成した。

アテゾリズマブは、腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞上に発現したPD-L1とよばれるたんぱく質に結合するようにデザインされたモノクローナル抗体で、PD-1およびB7.1受容体との相互作用をどちらも阻害する。アテゾリズマブは、PD-L1の阻害によってT細胞を活性化していると考えられている。アテゾリズマブは、広範囲のがんにおいて、がん免疫療法、分子標的療法、および化学療法と併用する基礎的薬剤となる可能性がある。

アテゾリズマブは、EU、米国など70カ国以上で、既治療転移性非小細胞肺がん患者、および一部の未治療または既治療転移性尿路上皮がん患者に対して、すでに承認されている。

翻訳担当者 粟木瑞穂

監修 吉原哲(血液内科・細胞治療/兵庫医科大学)

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