Adcetris〔アドセトリス〕(ブレンツキシマブベドチン)医薬品安全性通達-進行性多巣性白質脳症および肺毒性/FDA安全性情報
2012年1月13日
腫瘍医、血液専門医および神経内科医向け
問題点:FDAは医療従事者に対し、リンパ腫治療薬のAdcetris(ブレンツキシマブベドチン)に関して、稀ではあるが死に至る可能性のある重篤な脳内感染である進行性多巣性白質脳症(PML)の追加症例2例が報告されたことについて通達した。PMLは重篤な疾患であることから、本リスクを強調した黒枠警告が新たにAdcetrisの添付文書に追加された。
さらに、Adcetrisと抗悪性腫瘍薬のブレオマイシンを併用した場合、肺毒性のリスクが上昇することから、禁忌の項目が新たに追加された。
PMLの徴候や症状は、投与開始から数週間から数カ月を経過して発現することもある。徴候や症状には、気分変化あるいは行動変容、錯乱、思考力低下、記憶障害、視力または会話あるいは歩行の変化、および体の片側における体力の低下または脱力などがありうる。
背景:Adcetris(ブレンツキシマブベドチン)は、ホジキンリンパ腫および全身性未分化大細胞リンパ腫として知られている稀なリンパ腫の治療に使用されている。2011年8月のAdcetrisの承認時では、添付文書の警告および使用上の注意事項の項目に1件のPMLが記載されていた。
推奨:PMLの徴候および症状が発症した患者は、医療従事者にただちに伝えるべきである。医療従事者は、PMLが疑われた場合はAdcetrisの使用を一時停止させ、さらにPMLの診断確定がなされた場合はAdcetrisの使用を中止させるべきである。追加情報については、医薬品安全性通達のデータ概要を参照のこと。
医療従業者や患者に対し、これらの製剤の使用に関連した有害事象および副作用についてFDA MedWatch Safety Information およびAdverse Event Reporting Programに報告することを推奨している。
オンラインwww.fda.gov/MedWatch/report.htmにて、報告書に記載の上提出すること。
書式をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話をして報告用書式を請求すること。記入後、住所記載済みの書式にある住所に送るか、または1-800-FDA-0178にファックスで送付すること。
[01/13/2012 – Drug Safety Communication – FDA]
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栃木和美 訳
吉原 哲 (血液内科・造血幹細胞移植/兵庫医科大学病院)監修
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