アリムタ®+白金は進行性非小細胞肺癌でジェムザール+白金と同等に有効でより毒性が低い

キャンサーコンサルタンツ
2007年9月

2007年International Association for the Study of Lung Cancer(IASLC)で発表された結果によれば進行性非小細胞肺癌患者(NSCLC)に白金製剤(プラチノール[シスプラチン]またはパラプラチン[カルボプラチン])とアリムタ(pemetrexed)の併用で初回治療をした場合ジェムザール(ゲムシタビン)との併用と同等の生存期間が得られ、副作用はより少なかった。

NSCLCは米国で肺癌と診断された患者全体の80%を占める。NSCLC患者の約3分の1は診断された時点で、進行癌で転移があり、多くは初回治療のあと再発する。進行NSCLCの主要な治療は緩和的化学療法なのでより忍容可能な毒性のプロフィールを持つ化合物を特定することが研究の目標である。進行NSCLCの標準併用治療の一つはジェムザール+白金化合物である。すべての治療が緩和目的であるため毒性のエンドポイントはとても重要である。

イタリアの研究者らによって行なわれた臨床試験は1,725人のNSCLC患者の初回治療にアリムタ+プラチノール患者群とジェムザール+プラチノール患者群で比較された。[1]

● 非扁平上皮NSCLCの患者でアリムタ+プラチノール患者群がジェムザール+プラチノール患者群と比較して生存期間が延長された。(それぞれ11.8ヶ月対10.4ヶ月)

● 扁平上皮NSCLC患者でジェムザール+プラチノール患者群(10.8ヶ月)がアリムタ+プラチノール患者群(9.36ヶ月)と比較して生存期間が延長された。

● 全生存期間はアリムタ+プラチノール患者群とジェムザール+プラチノール患者群で相違がなかった。

● 副作用はアリムタ+プラチノール患者群の方がジェムザール+プラチノール患者群より軽減される傾向にあった。血栓、倦怠感、吐き気以外はすべての副作用がアリムタ+プラチノール患者群で軽減された。

進行NSCLCの初回治療としてアリムタを評価する二つ目の臨床試験はノルウエーの研究者らによって行なわれた。[2] この試験の患者はアリムタ+パラプラチンまたはジェムザール+パラプラチンのいずれかによって治療された。

全生存期間は二つの患者群で類似している。(アリムタ/パラプラチン患者群は7.3ヶ月でジェムザール/パラプラチン患者群は7.0ヶ月)

QOLも二つの患者群で同等であった。赤血球または血小板輸血の割合がアリムタ/パラプラチン患者群の方がジェムザール/パラプラチン患者群に比較して有意に減少したことが指摘された。

これらの研究者らは進行NSCLC患者の初回治療にアリムタ+白金化合物がジェムザール+白金化合物と比較して少なくとも同等の生存期間をもたらすと結論した。

アリムタを用いた治療は治療に起因する副作用の減少ももたらすかも知れない。そしてジェムザールの月二回投薬に対して月一回の投薬も可能である。

コメント

アリムタは現在の最新治療レジメンの妥当な選択肢になると思われる。しかし現時点でアリムタはNSCLCの初回療法としてFDAの承認を受けていない。米国FDAはこの適応への使用のために目下検討プロセスにある。

参考文献
[1] Scagliotti G, et al. Phase III study of pemetrexed plus cisplatin versus gemcitabine plus cisplatin in chemonaive patients with locally advanced or metastatic non-small cell lung cancer (NSCLC). Proceedings from the International Association for the Study of Lung Cancer meeting. 2007. Abstract #PRS-03.
[2] Gronberg B, et al. A Phase III study by the Norwegian Lung Cancer Group: pemetrexed + carboplatin vs. gemcitabine + carboplatin as first-line chemotherapy in Stage IIIB/IV non-small cell lung cancer. Proceedings from the International Association for the Study of Lung Cancer meeting. 2007. Abstract A3-04.

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翻訳担当者 内村 美里人

監修 平 栄(放射線腫瘍科)

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