非侵襲的な画像診断法PETにより、EGFR阻害剤が有効とみられる肺癌患者を特定する

非侵襲的な画像診断法PETにより、EGFR阻害剤が有効とみられる肺癌患者を特定する

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ポジトロン断層法(PET)スキャンの新しい使い方によって、どの肺癌患者が上皮子受容体(EGFR)阻害剤に反応するかの予測が可能となり、非侵襲的な方法によるオーダーメイド化をさらに進展させる。これらの結果は最近、世界肺癌学会による第14回世界肺癌会議で発表された。

EGFR経路は、腫瘍細胞の増殖および複製に関与している。かなり多くの癌のEGFR経路に突然変異があり、経路は正常に機能していない。EGFR阻害剤と呼ばれる癌の新しい分子標的薬は、EGFR突然変異を有する患者のEGFR経路で阻害されずに増殖する細胞の増殖を減少するか、もしくは、停止させる。 肺癌患者は彼らのEGFR経路に突然変異があるかどうかを判断するために検査を受けることが多く、それにより、EGFR阻害剤が有効な治療である可能性があるかどうかが最終的に確定する。この検査は侵襲的な方法で癌組織を摘出してから検査が行われる。

アムステルダムの研究者は、EGFR阻害剤の1つであるタルセバ(エルロチニブ)を使用した場合にPETスキャンでEGFR阻害剤の治療への反応を予測することができるか、その精度を評価するために、最近、臨床試験を行った。試験では、EGFR阻害剤に関する標準的な臨床検査を最初に受けた非小細胞性肺癌(NSCLC)患者10人を対象とした。患者5人にはEGFR突然変異が認められ、残りの患者5人には認められなかった。患者は放射性標識化されたタルセバによるPETスキャンを受けた。

スキャン中に癌が放射性標識化されたタルセバを高濃度に吸収した患者だけが、その後のタルセバ治療に反応した。 「この新たな画像診断PET技術は、[EGFR阻害剤]の治療の効果があるNSCLC患者を同定する非侵襲性予測マーカーになる可能性があることを示すという点で重要な発見なのです」と、Dr. Idris Bahce(本試験責任医師)は述べた。この試験は小規模で、予備的試験であるが、これらの結果はどの患者がEGFR阻害剤の治療に反応するかを判断する、オーダーメイドの低侵襲的な方法への新しいアプローチを提供する。この種の方法をさらに評価する試験が予定されている。

参考文献:

Bahce I, et al. In vivo selection of non-small cell lung cancer patients with activating mutations in the tumor epidermal growth factor receptor using [11C]erlotinib and positron emission tomography. Presented at the 14th World Conference on Lung Cancer. July 3-7, 2011. Amsterdam, Netherlands. Abstract PRS.5.


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翻訳担当者 有田香名美

監修 後藤 悌(呼吸器内科/東京大学大学院医学研究科)

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