レナリドミド+リツキシマブはマントル細胞リンパ腫の初期治療として非常に有用

キャンサーコンサルタンツ

レナリドミド(レブラミド)+リツキシマブ(リツキサン)による併用療法は、マントル細胞リンパ腫の初期治療として投与された場合、長期にわたる寛解を高率で示している。

これらの結果は最近、New England Journal of Medicine誌にて発表された。

マントル細胞リンパ腫は比較的まれながん種であり、B細胞と呼ばれる免疫細胞から発生する 。

この疾患は60歳以上の患者で診断されることが多く、とりわけ男性に多く発生する。

マントル細胞リンパ腫(MCL)は、特に、ステージが進んだ状態で見つかった場合は侵襲性が強いこともあり、早期ステージにおいては成長の遅いがんのようにふるまうこともある 。

MCLの治療は、患者のがん転移状態、侵襲性、過去に受けた治療歴、全身の健康状態、年齢、その他の医学的状況により、かなり異なる。

リツキシマブはMCLの治療によく使用される薬剤であり、B細胞表面に発現する特異タンパク質CD20を標的とする。レナリドミドは、過去2回以上治療が実施されたにもかかわらず再発したMCLの治療として、2013年に承認された。

研究者らは最近、未治療のMCL患者における治療として、レナリドミド+リツキシマブの有効性をさらに調査するため、臨床試験を実施した。試験は、2011~2014年に異なる4医療施設で実施され、患者38人が参加した。

•治療終了後、中央値30カ月時の奏効率 は92%、検出可能がんの完全消失率は64%であった。
•がん進行なしの生存期間(無増悪生存期間)中央値にはまだ達していない 。
•2年時の全生存率は97%であった。
•2年時の無増悪生存率は85%と推定された。
•治療により寛解した患者では生活の質の改善が報告された。
•最も多い重篤な副作用は血球減少や発疹などであった。

研究者らは、レナリドミド+リツキシマブ併用療法は、未治療のMCL患者においては、長期間にわたり高率に抗がん活性を示すと結論づけた。さらに、治療により寛解した患者では生活の質が改善した。

著者らは、レナリドミド+リツキシマブによる生物学的な併用療法はMCLにおける初期治療として有用であると述べた。

参考文献:
Ruan J, Martin P, Shah B, et al. Lenalidomide plus rituximab as initial treatment for mantle-cell lymphoma. New England Journal of Medicine. 2015; 373:1835-1844.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 岐部幸子

監修 林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

リンパ腫に関連する記事

CAR-T細胞療法は侵攻性リンパ腫に有益の画像

CAR-T細胞療法は侵攻性リンパ腫に有益

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ個別化免疫療法の一種であるCAR-T細胞療法は、一部の侵攻性非ホジキンリンパ腫(NHL)の治癒に役立つ可能性がある。これは、CAR-T細胞療...
FDAがびまん性大細胞型B細胞リンパ腫にglofitamab-gxbmを承認の画像

FDAがびまん性大細胞型B細胞リンパ腫にglofitamab-gxbmを承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年6月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、2ライン以上の全身療法後の再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫非特定型(DLBCL, NOS)...
axi-celが早期再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の生存期間を有意に改善-ASCO2023の画像

axi-celが早期再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の生存期間を有意に改善-ASCO2023

MDアンダーソンがんセンター(MDA)第3相ZUMA-7試験で、CAR-T細胞療法は標準治療と比較して死亡リスクを27.4%低下させることが判明

早期再発または難治性の大細胞型B細胞リン...
原発性縦隔B細胞リンパ腫に化学免疫療法後の放射線治療は不要な可能性の画像

原発性縦隔B細胞リンパ腫に化学免疫療法後の放射線治療は不要な可能性

米国臨床腫瘍学会(ASCO2023)ASCOの見解「これらの知見は、若年成人に多く発生する悪性度の高い種類のリンパ腫において特に重要である。これらの心強いデータにより、高用量の...