ゼヴァリンは皮膚B細胞リンパ腫の治療に有効

キャンサーコンサルタンツ
2008年8月

ゼヴァリン(イットリウム-90[(90)Y]イブリツモマブ・チウキセタン)が原発性皮膚B細胞リンパ腫(PCBCL)患者の治療に効果的である、とドイツの研究者らが報告した。この試験の詳細は2008年8月25日付けのLeukemia-Lymphoma誌オンライン速報版に掲載された。[1]

ゼヴァリンはイットリウムまたはインジウムをキレート化するチウキセタン(MXDTPA)が抱合したマウスIgG1カッパモノクローナル抗体で、Bリンパ球のCD20分子に対して作用する。ゼヴァリンの治療が始まる7日前と1日前に、通常リツキサン(リツキシマブ)250mg/m2が投与される。ゼヴァリンは用量によって幹細胞サポートを行い投与することもある。標的放射性ラベル化アイソトープを使用する根拠は、より限定された放射線療法を行なうことによって、毒性を減少させることである。ゼヴァリンは非ホジキンリンパ腫(NHL)患者の治療に使用できる最も効果的な治療法の一つであるが、核医学モニタリングの必要があるため、一般の腫瘍学界において使用が予測よりも少ないものとなっている。

この試験では10人のPCBCL患者を組み入れたが、そのうち9人が再発患者であった。完全奏効率は100%であると著者らは報告した。再発までの期間の中央値は12ヵ月であった。患者10人のうち4人はフォローアップの中央値が19ヵ月の時点で完全奏効を持続していた。

コメント:

これらのデータは、ゼヴァリンがB細胞NHL患者に対する非常に効果的な治療であることを立証した。

参考文献:
[1]Mazza S, Gellrich S, Assaf C, et al. Yttrium-90 ibritumomab tiuxetan radioimmunotherapy in primary cutaneous B-cell lymphomas: first results of a prospective, monocentre study. Leukemia-Lymphoma [early online publication]. July 25, 2008.


 c1998- 2008CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 大内英利子

監修 林 正樹(血液・腫瘍科)

原文を見る

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

リンパ腫に関連する記事

CAR-T細胞療法は侵攻性リンパ腫に有益の画像

CAR-T細胞療法は侵攻性リンパ腫に有益

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ個別化免疫療法の一種であるCAR-T細胞療法は、一部の侵攻性非ホジキンリンパ腫(NHL)の治癒に役立つ可能性がある。これは、CAR-T細胞療...
FDAがびまん性大細胞型B細胞リンパ腫にglofitamab-gxbmを承認の画像

FDAがびまん性大細胞型B細胞リンパ腫にglofitamab-gxbmを承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年6月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、2ライン以上の全身療法後の再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫非特定型(DLBCL, NOS)...
axi-celが早期再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の生存期間を有意に改善-ASCO2023の画像

axi-celが早期再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の生存期間を有意に改善-ASCO2023

MDアンダーソンがんセンター(MDA)第3相ZUMA-7試験で、CAR-T細胞療法は標準治療と比較して死亡リスクを27.4%低下させることが判明

早期再発または難治性の大細胞型B細胞リン...
原発性縦隔B細胞リンパ腫に化学免疫療法後の放射線治療は不要な可能性の画像

原発性縦隔B細胞リンパ腫に化学免疫療法後の放射線治療は不要な可能性

米国臨床腫瘍学会(ASCO2023)ASCOの見解「これらの知見は、若年成人に多く発生する悪性度の高い種類のリンパ腫において特に重要である。これらの心強いデータにより、高用量の...