米FDAが血液悪性腫瘍に対する造血幹細胞移植で同種制御性T細胞療法を承認

米FDAが血液悪性腫瘍に対する造血幹細胞移植で同種制御性T細胞療法を承認

2026年6月30日、米国食品医薬品局は、血液悪性腫瘍の成人患者を対象に、骨髄破壊的移植前処置レジメンを用いた適合ドナー造血幹細胞移植(HSCT)での使用、造血および免疫再構築、ならびに慢性移植片対宿主病(cGHVD)非発症生存期間の改善を目的として、造血幹・前駆細胞(HSPC)とT細胞-vldq(販売名:Tregzi[トレグジ]、Orca Bio社)を用いた同種制御性T細胞ベースの免疫療法を承認した。
 
Tregziの詳細な処方情報は、2026 Biological License Applicationに掲載される。

有効性と安全性

有効性は、急性白血病または骨髄異形成症候群(MDS)の成人患者を対象とした多施設共同、非盲検、ランダム化比較試験であるPrecision-T(NCT05316701)で評価した。Tregzi(n=93)投与後にタクロリムス単剤による移植片対宿主病(GVHD)予防療法を受ける群、または未処理同種移植(n=94)後にタクロリムスとメトトレキサートによるGVHD予防療法を受ける群に、合計187人の患者をランダムに割り付けた。
 
主要な有効性評価項目は、慢性移植片対宿主病(cGVHD)非発症生存期間(cGFS)であり、造血幹細胞移植から死亡(あらゆる原因または中等度から重度の移植片対宿主病によるもの)までの期間と定義されている。これは、米国国立衛生研究所のコンセンサス基準に従ってグレード付けされ、盲検下独立評価委員会によって判定された。Tregzi群と対照群の追跡期間中央値はそれぞれ、8.48カ月(範囲:0~22)と9.03カ月(範囲:0~20)、cGFSの中央値はそれぞれ、推定不可能(NE)(95% CI:NE、NE)と7.3カ月(95% CI:6.3、15.5)であった(HR = 0.26 [95% CI:0.14、0.47];P < .00001)。中等度から重度のcGVHDの累積発生率は、12カ月時点でTregzi群12.6%(95% CI: 5.3%、23.1%)、未処理同種移植対照群44.0%(95% CI: 31.3%、56.1%)と推定された(HR = 0.19 [95% CI: 0.08、0.43]、P = 0.00002)。Tregziを受けた全患者88人(100%)が、注入後28日以内に好中球数500/mm3を達成した。これらのうち、53人(60.2%)は3日間連続で好中球数が500/mm3を超え、注入後28日以内に好中球が回復したことが確認された。
 
特に多くみられた副作用(発現率20%以上)は、粘膜炎、下痢、発疹、ウイルス感染症、病原体不明の感染症、腹痛、嘔吐、悪心、細菌感染症、出血、急性GVHD、浮腫、および真菌感染症であった。 

添付文書には、移植片不全、GVHD、インフュージョンリアクション、二次性悪性腫瘍およびドナー由来の悪性腫瘍、ならびに感染性病原体の伝播に関する警告および注意事項が記載されている。

推奨用量

Tregziは、HSPC、制御性T細胞(Treg)、および従来型T細胞(Tcon)の3つの製品成分から構成され、これらを順次投与する。各成分の目標用量は以下のとおりである。HSPC:1.0 × 10⁶個/kg以上の生存細胞、Treg:1.3 × 10⁶~3.5 × 10⁶個/kgの生存細胞を0日目(day 0)に静脈内投与し、続いてTcon:1.3 × 10⁶~6.9 × 10⁶個/kgの生存細胞を2日目~3日目(day 2〜3)に静脈内投与する。

  • 記事担当 仲里芳子
  • 監修 パーキソン理咲 (血液内科)
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  • 原文掲載日 2026/06/30

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