FDAがFGFR1再構成を有する再発または難治性の骨髄/リンパ腫瘍にペミガチニブを承認

2022年8月26日、FDA(米国食品医薬品局)は、線維芽細胞増殖因子受容体1(FGFR1)再構成を有する再発または難治性の骨髄/リンパ腫瘍(MLN)の成人を対象にペミガチニブ(販売名:ペマジール)を承認した。

有効性は、FGFR1再構成を有する再発または難治性のMLN患者28人を対象とした多施設共同非盲検単群試験であるFIGHT-203(NCT03011372)にて評価した。適格患者は、同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)もしくは疾患修飾療法(例:化学療法)の候補ではない者、またはこれらの治療後に再発した者であった。ペミガチニブは、病勢進行もしくは許容できない毒性の発現まで、または患者がallo-HSCTを受けられるようになるまで投与された。

人口統計およびベースライン特性の一部は以下の通り。年齢中央値65歳(範囲:39~78歳)、女性64%、白人68%、黒人またはアフリカ系米国人3.6%、アジア人11%、アメリカインディアン/アラスカ先住民3.6%、ECOGパフォーマンスステータスが0または1が88%。

有効性は、疾患の形態学的種類に関連した奏効基準による完全奏効(CR)率に基づいて立証した。髄外病変(EMD)を伴う、または伴わない骨髄の慢性期患者18人のうち、14人がCRを達成した(78%;95%CI:52, 94)。CR達成までの期間中央値は104日(範囲:44~435日)であった。奏効期間中央値は未到達であった(範囲:1+~988+日)。EMD の有無に関わらず骨髄所見が急性転化期であった 4 人中、2 人が CR を達成した(期間:1+日、94日)。EMDのみを有する患者 3 人のうち、1 人が CR を達成した(期間:64+日)。患者28人すべて(疾患の形態学的エビデンスが認められない3人を含む)において、細胞遺伝学的完全奏効率は79%(22/28例、95%CI:59、92)であった。

特に多く見られた(20%以上)副作用は、高リン血症、爪の毒性、脱毛症、口内炎、下痢、ドライアイ、疲労、発疹腹痛、貧血、便秘、ドライマウス、鼻出血、漿液性網膜剥離、四肢痛、食欲低下、皮膚乾燥、消化不良、背部痛、悪心、霧視、末梢浮腫および浮動性めまいであった。

特に多く見られた(10%以上)グレード3または4の臨床検査値異常は、リンの低下、リンパ球減少、白血球減少、血小板減少、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、および好中球減少であった。

ペミガチニブの推奨用法用量は、1日1回13.5 mgを疾患進行または許容できない毒性が発現するまで継続する経口投与である。

ペマジールの全処方情報はこちら(英語) (日本語)を参照。

日本語記事監訳:喜安 純一(血液内科・血液病理/飯塚病院 血液内科)

翻訳担当者 松谷 香織

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