FDAが移植後の多発性骨髄腫の維持療法にレナリドミドを承認
米国食品医薬品局(FDA)は2017年2月22日、自家幹細胞移植後の多発性骨髄腫患者に対する維持療法として、レナリドミド(商品名:レブラミド、セルジーン社)を承認した。
経口投与のサリドマイド類似体であるレナリドミドは、治療歴のある多発性骨髄腫患者に対して、デキサメタゾンとの併用において、2006年にFDAの承認を受けていた。2015年には適応が追加され、自家幹細胞移植非適応である未治療の多発性骨髄腫患者を対象として、多発性骨髄腫治療におけるデキサメタゾンとの併用で使用されている。レナリドミドはまた、骨髄異形成症候群およびマントル細胞リンパ腫に対しても承認されている。
今回の承認は、自家幹細胞移植後の多発性骨髄腫患者の治療における、レナリドミド維持療法の有効性および安全性を評価する2つのランダム化対照試験(CALGB 100104およびIFM 2005-02)に基づいて行われた。この2つの試験においては、レナリドミド治療群ではプラセボ投与群に比べて、初回解析時点で無増悪生存期間が約15カ月(CALGB)および約18カ月(IFM)長いことが示された(CALGBにおけるハザード比(HR)=0.38; 95% CI: 0.27, 0.54; p<0.001、IFMにおけるHR=0.50; 95% CI: 0.39, 0.64; p<0.001)。レナリドミド治療群の全生存期間中央値は111カ月(CALGB)および106カ月(IFM)であり、プラセボ投与群では84カ月(CALGB)および88カ月(IFM)であった。
2つの試験で観察された有害事象の種類、頻度および重症度は、すでに製品ラベルに記載されているものと同様であった。両試験において、最も頻度が高かったグレード3または4の有害事象は好中球減少症であり、レナリドミド治療群517人の患者の56%にみられた。レナリドミド治療群ではプラセボ投与群と比較して、二次がんの発生率の上昇が報告された。レナリドミドの製品ラベルでは、レナリドミドで治療した多発性骨髄腫患者における二次がんの発生率の増加について記載されている。
レナリドミドの推奨用量および投与スケジュールは、1日1回10mgの28日間連日投与を1サイクルとして、これを繰り返す。
全処方情報は以下に記載:
http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/021880s049lbl.pdf
医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象を認めた場合、すべてFDAのMedWatch報告システムに報告しなければならない。この報告は、オンラインフォームへの入力(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、オンラインで提供されている料金支払い済み宛名フォームのファックス(1-800-FDA-0178)もしくは郵送、または電話(1-800-FDA-1088)にて行う。
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