FDAが多発性骨髄腫に標準治療との併用でダラツムマブを承認
2016年11月21日、米国食品医薬品局(FDA)は、1つ以上の治療歴のある多発性骨髄腫患者に対し、レナリドミドとデキサメタゾンまたはボルテゾミブとデキサメタゾンとの併用でダラツムマブ(商品名:DARZALEX、Janssen Biotech、Inc.社)を承認した。
ダラツムマブは、2015年11月に、過去にプロテアソーム阻害剤(PI)および免疫調整剤を含む3つ以上の治療歴のある多発性骨髄腫患者、あるいはPIおよび免疫調整剤の両方に治療抵抗性である患者に対する単独療法として承認されている。
今回の承認は、標準的な治療法にダラツムマブを追加した2つのランダム化非盲検臨床試験に基づいている。POLLUX試験(MMY3003としても知られる)は、レナリドミドおよびデキサメタゾンにダラツムマブを追加した場合、レナリドミドおよびデキサメタゾン単独と比較して、無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を示した。推定されるPFS中央値はダラツムマブ群では未到達であったが、対照群では18.4カ月[ハザード比(HR)0.37; 95% CI: 0.27, 0.52; p <0.0001]であったことから、ダラツムマブを投与した患者において疾患進行または死亡のリスクが63%低下したことが示された。
ダラツムマブとボルテゾミブ、およびデキサメタゾンとの併用投与と、ボルテゾミブとデキサメタゾンとの併用投与を比較したCASTOR試験(MMY3004としても知られる)においても同様の結果がみられた。推定されるPFS中央値はダラツムマブ群では未到達であったが、対照群では7.2カ月(HR 0.39; 95% CI: 0.28, 0.53; p <0.0001)であったことから、ダラツムマブを投与した患者において疾患進行または死亡リスクが61%低下したことが示された。
MMY3003試験において最も多く報告された有害反応(20%以上)は、インフュージョンリアクション(投与時反応)、下痢、悪心、疲労、発熱、上気道感染、筋痙縮、咳嗽、および呼吸困難であった。MY3004試験において最も多く報告された有害反応(20%以上)は、インフュージョンリアクション(投与時反応)、下痢、末梢性浮腫、上気道感染、末梢性感覚神経障害であった。好中球減少症および血小板減少症がDARZALEXの添付文書の「警告」および「使用上の注意」の項目に追加された。
推奨されるダラツムマブの用量は、16 mg/kgの静脈投与である(実体重で計算)。
ダラツムマブは、FDAから画期的治療薬およびオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)、ならびに優先審査の指定を受けた。今回の承認は、処方薬ユーザー・フィー法(PDUFA)の期日である2017年2月17日の3カ月前に得られた。これらの迅速承認プログラムに関する詳細は、企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム–医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)」に記載されている。
全処方情報は以下に記載:
http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2016/761036s004lbl.pdf
医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象を認めた場合、すべてFDAのMedWatch報告システムに報告しなければならない。この報告は、オンラインフォームへの入力(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、ファックス送信(1-800-FDA-0178)、オンラインで提供されている料金支払い済み宛名フォームの郵送、または電話(1-800-FDA-1088)にて行う。
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