悪性腫瘍の有無を確認するためおよび手術適応の判断の規準とするための卵巣癌検査をFDAが承認

悪性腫瘍の有無を確認するためおよび手術適応の判断の規準とするための卵巣癌検査をFDAが承認

FOR IMMEDIATE RELEASE:2009年9月11日
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悪性腫瘍の有無を確認するためおよび手術適応の判断の規準とするための卵巣癌検査をFDAが承認

米国食品医薬品局(FDA)は本日(9月11日)、手術適応の骨盤内腫瘤において卵巣癌を検出するための検査を承認した。OVA1という名称の本検査は、患者や医療従事者らが適切な手術の種類とその担当者を決定するうえで役立つ。OVA1により、卵巣癌の他の臨床検査や放射線検査の結果が陰性であっても婦人科腫瘍専門医への紹介が有益とみられる患者を特定できる。OVA1で陰性であっても他の検査結果で癌が示唆された場合は、腫瘍専門医に紹介することが適切である。

OVA1は、他の臨床診断方法の代替ではなくそれらを補完する補助的検査として、プライマリーケア担当の内科医や婦人科医らにより実施されるべきものである。

OVA1では、卵巣癌が原因で変化する5つのタンパク質の濃度について、血液検体を用いて調べる。この5つの個別結果を統合し、骨盤腫瘤の良性・悪性度を0~10の数値で示す。

OVA1は、骨盤腫瘤手術適応の18歳以上の女性患者のみを対象とし、卵巣癌のスクリーニングや確定診断を意図したものではない。OVA1の結果を判断するうえで、閉経前・後のいずれであるかという患者情報が必要となる。

米国産科婦人科学会および婦人科腫瘍学会は2002年、卵巣癌早期発見における一般産婦人科医の役割に関する提言を発表した。同提言では、悪性を示す特定の指標が認められる場合は婦人科腫瘍専門医への紹介が推奨されている。

こうした提言やその後の報告では、卵巣癌患者では婦人科腫瘍専門医が手術担当の場合に生存率が改善し、一般の婦人科医や外科医が担当の場合とは対照的であることが示されている。

「OVA1などの検査により、生存率を改善して術後合併症を軽減させる医学的判断の根拠となる情報を患者や医療従事者がより多く得ることで、個別化をして公衆衛生の向上がはかられる」とFDA医療機器・放射線保健センター(Center for Devices and Radiological Health)の代行所長(acting director)であるJeffery Shuren医師/法務博士は述べている。

FDAは、患者516人(うち269人は婦人科腫瘍専門医以外の医師が評価)を対象とする試験を検証し、OVA1と生検検査の結果を比較した。OVA1検査の結果に放射線その他の臨床検査などの術前情報を併用すると、術前情報のみでは確認されなかった、腫瘍専門医への紹介が有益とみられる患者が追加的に特定された。

OVA1の開発は、Vermillion Inc.社(本部カリフォルニア州フレモント)がジョンズホプキンス大学(バルチモア)の研究者らと共同して行っている。

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Chachan 訳
林正樹(敬愛会中頭病院) 監修 
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原文


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