局所進行前立腺癌患者でホルモン療法に放射線治療を加えると有益

キャンサーコンサルタンツ

局所進行または高リスクの前立腺癌患者で、 放射線治療とホルモン療法の併用治療がホルモン療法単独より有効であることがわかった。これらの結果はLancet誌で発表された。

局所進行前立腺癌とは、前立腺被膜を通じて広がった癌のうち、体内の遠隔部位には及んでいない癌をいう。局所進行前立腺癌の治療では、アンドロゲン遮断療法(ホルモン療法)が行われることが多い。ホルモン療法によって、男性ホルモンが前立腺癌の成長を刺激するのを遮断する。

ホルモン療法に放射線治療を加えた場合、ホルモン療法単独と比べてよりよい転帰をもたらすかどうかを検討するため、研究者らは局所進行または高リスクの前立腺癌患者1,205人で試験を実施した。半数の患者はホルモン療法単独を受け、もう半数の患者はホルモン療法および放射線治療を受けた。

  • 7年間の全生存率は放射線治療およびホルモン療法を受けた患者で74%、ホルモン療法単独を受けた患者で66%であった。
  • 放射線治療を加えても、治療による副作用が大幅に増加することはなかった。

これらの結果は、局所進行前立腺癌患者でホルモン療法と放射線治療の併用治療は、ホルモン療法単独の治療と比べてよりよい全生存率をもたらすことを示唆している。

参考文献:

Warde P, Manson M, Ding K et al. Combined androgen deprivation therapy and radiation therapy for locally advanced prostate cancer: a randomised, phase 3 trial. Lancet. Early online publication November 3, 2011.


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翻訳担当者 可部真知子

監修 北村裕太(内科/東京医科歯科大学医学部附属病院)

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