ピオグリタゾン含有製剤が膀胱がんリスク上昇と関連、FDA情報改訂

ピオグリタゾン含有製剤が膀胱がんリスク上昇と関連、FDA情報改訂

20161212日]

内科、内分泌科、泌尿器科向け

問題点:FDAは再調査の結果、2型糖尿病治療薬であるピオグリタゾン(アクトス、ACTOplus met ACTOplus met XRDuetactOseni )の使用は、膀胱がんの発症リスク上昇に関連する可能性があると結論づけた。ピオグリタゾンを含有する製剤のラベル表示には、既にこのリスクに関する警告が記載されている。FDAは今回、再評価を行った複数の追加試験に関する情報を記載するため、ラベル表示の改訂を承認した。データの要約などの詳細はFDAの「Drug Safety Communication」を参照。

背景:FDAは、10年間の疫学研究の中間結果に基づき、20109月および20116月に、ピオグリタゾンに膀胱がんのリスク発生の可能性があることを一般に向けて警告した。20118月には、FDAは同リスクに関する警告を記載するため、ピオグリタゾン含有製剤のラベル表示の変更を行い、製造元に10年間の疫学研究に修正を加えて継続することを義務づけた。

ピオグリタゾンは、2型糖尿病成人患者の血糖コントロールを改善するため、食事および運動療法と併せて用いる薬剤として承認されている。ピオグリタゾンは、血糖値をコントロールする天然のホルモンであるインスリンに対する体の感受性を高めることにより作用する。2型糖尿病は未治療の場合、失明、神経障害、腎障害、心疾患などの重大な問題を引き起こすことがあり得る。

推奨:医療従事者は、ピオグリタゾンを活動性の膀胱がん患者に使用するべきではない。また、膀胱がんの既往歴のある患者に対しては、利益とリスクを注意深く考慮してからピオグリタゾンを投与すべきである。

ピオグリタゾンの服用後、以下の徴候や症状を経験した場合には、膀胱がんが原因の可能性があることから、患者は担当の医療従事者に連絡するべきである。

尿中の血液または赤色

新規または増悪する尿意切迫感

排尿時の痛み

医療従事者および患者は、これらの薬剤に関連する有害事象や副作用をFDAMedWatch Safety Informationおよび有害事象報告プログラムに以下の要領で報告するよう努めること:

オンラインで報告様式を記入し提出:www.fda.gov/MedWatch/report

報告様式をダウンロードまたは電話(1-800-332-1088)にて報告様式を請求し、記入後郵送またはFAX1-800-FDA-0178)する

翻訳担当者 星野恭子

監修 北尾 章人(血液・腫瘍内科/神戸大学大学院医学研究科)

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原文掲載日 

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