多発性扁平上皮がん患者は頻繁に受診すべきである

キャンサーコンサルタンツ

多発性皮膚扁平上皮がん(皮膚がんの一種)患者は、再発したり、リンパ節に転移したりするリスクが著しく高く、経過観察のために皮膚科医の元へ頻繁に通院する必要があるという。これらの結果はJournal of the American Medical Association (JAMA): Dermatology誌の最新号で発表された。

皮膚扁平上皮がん(CSCC)は皮膚がんの一種で、早期に発見し治療すれば治癒率は高い。幸い、大半のCSCCは広範囲に転移する前に発見される。一般的に、早期CSCCの治療はがんの部位の外科的切除である。

手術で早期段階のCSCCをしばしば治療できるが、がん細胞を完全に除去することができなかった場合、がんが転移するリスクはわずかに残る。がん転移が多くみられる部位は、付近のリンパ節である。

研究者らは最近、複数のCSCC発生部位を有する患者におけるがんの再発または転移リスクについて、1カ所だけCSCCを有する患者と比較して調査する臨床試験を実施した。研究者らはCSCCと診断された患者985人のカルテを入手し、診断時点のCSCCの発生部位数で比較した再発率およびリンパ節への転移率について、10年間のデータをもとに評価した。

10年経過時点で、がんの局所再発(原発がんの部位またはその付近での再発)率およびリンパ節転移(付近のリンパ節への転移)率は、以下のとおりであった。

・CSCCが1カ所のみの患者は、局所再発率が3%、リンパ節転移率が2.3%であった。

・CSCC発生部位が2~9カ所の患者は、局所再発率が6.7%、リンパ節転移率が5.9%であった。

・CSCC発生部位が10カ所以上の患者は、局所再発率が36.8%、リンパ節転移率が26.3%であった。

研究者らは、「多発性CSCC患者は局所再発やリンパ節転移のリスクが高いため、頻繁に経過観察を受ける必要があります。特に、CSCCの部位が10カ所以上ある患者さんは、再発や転移のリスクが著しく高まります」と結論づけた。

複数のCSCC発生部位を有する患者は、経過観察通院の頻度について皮膚科医に相談すべきである。

参考文献:
Levine D, Karia P, Schmults C. Outcomes of Patients With Multiple Cutaneous Squamous Cell Carcinomas: A 10-Year Single-Institution Cohort Study. JAMA Dermatology. 2015 Jul 15. doi: 10.1001/jamadermatol.2015.1702. [Epub ahead of print].10.1056/NEJMoa1510016


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翻訳担当者 太田奈津美

監修 橋本 仁(獣医学)

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