米FDAがCOVID-19ワクチン接種後の心筋炎/心膜炎について添付文書の警告を更新

米FDAがCOVID-19ワクチン接種後の心筋炎/心膜炎について添付文書の警告を更新

2025年6月25日
FDA安全性通信
目的:
mRNA COVID-19ワクチン接種後の心筋炎および心膜炎のリスクに関する新しい安全性情報を含めるため、FDAがファイザー製コミナティ(COVID-19ワクチン、mRNA)およびモデルナ製スパイクバックス (COVID-19ワクチン、mRNA)の処方情報の更新を要求し承認したことを、一般市民および医療提供者に通知すること。FDAは特に、心筋炎および心膜炎のリスクに関する警告を更新し、(1)2023~2024年製mRNA COVID-19ワクチンの接種後における心筋炎や心膜炎の推定未調整発生率、および(2) mRNA COVID-19ワクチン接種後に心筋炎を発症した患者の心臓磁気共鳴画像(心臓MRI)を収集した研究結果の情報を含めることを、各製造業者に対して要請した。FDAはまた、処方情報の副作用セクションおよび被接種者・介護者向けの情報に新しい安全性情報を記載することを、各製造業者に対して要請した。

6カ月から11歳において緊急使用が承認されているモデルナ製COVID-19ワクチンおよびファイザー・ビオンテック製COVID-19ワクチンの医療提供者向けおよび被接種者・介護者向けのファクトシートも更新され、コミナティおよびスパイクバックスの処方情報および被接種者・介護者向けの情報に合わせて、新しい安全性情報が追加された。

心筋炎および心膜炎に関する警告の更新

コミナティおよびスパイクバックスの処方情報における心筋炎および心膜炎に関する警告が更新され、mRNA COVID-19ワクチン接種後の心筋炎および心膜炎の観察されたリスクは12歳から24歳の男性で最も高いことが記載され、次の新しい文言が追加された。

  • 入院患者および外来患者の民間健康保険請求データの分析に基づくと、2023~2024年製mRNA COVID-19ワクチン接種後1~7日間における心筋炎や心膜炎の推定未調整発生率は、6カ月~64歳では100万回接種あたり約8件、12~24歳の男性では100万回接種あたり約27件であった。
  • COVID-19ワクチン関連心筋炎と診断された入院患者の心血管アウトカムに関する追跡調査情報は、縦断的後ろ向き観察研究から入手した。これらの患者の大半は、診断前にmRNA COVID-19ワクチンの初回接種シリーズを2回接種していた。この研究では、ワクチン接種後約5カ月の追跡期間(中央値)において、心筋障害の指標となる心臓磁気共鳴画像(CMR)の異常所見が持続する症例が多く見られた。これらのCMR所見の臨床的意義および予後予測意義は不明である。

これらのmRNA COVID-19ワクチンを接種した後の心筋炎(心筋の炎症)および心膜炎(心臓の外側の内膜の炎症)に関する情報は、2021年から添付文書に記載されている。FDAは、製造販売後のCOVID-19ワクチンを含むすべてのワクチンについて、その安全性を厳密に監視している。

心筋炎と診断されたmRNA COVID-19ワクチン接種者の心血管アウトカムに関する研究について

FDAが資金提供者かつ共著者となった2024年9月発表の米国承認後研究(米国の若年者におけるCOVID-19ワクチン関連心筋炎の心臓症状と転帰:COVIDワクチン接種後心筋炎(MACiV)多施設共同研究の縦断的結果)では、mRNA COVID-19ワクチンのオリジナル処方での接種後に心筋炎を発症した約300人について、追跡調査を行って情報を収集した。研究対象者の中には、心筋炎発症から約3カ月後に心臓の症状を訴えた人もいた。また、心筋炎発症後最初に心臓MRI(心筋の詳細な画像を示すスキャン)を受け、約5カ月後に再度心臓MRIを受けた人もいた。初回および追跡調査の心臓MRIでは、一般的に心筋の損傷の徴候が見られ、時間の経過とともに改善した人もいたが、全員ではなかった。これらの心臓MRIの所見が心筋炎の長期的な心臓への影響を予測できるかどうかは不明である。

安全監視は継続中

mRNA COVID-19ワクチンを含むすべてのワクチンの安全性を継続的に監視および評価することはFDAの優先事項であり、FDAは、これらのワクチンについて新たな情報が得られた場合、引き続き一般の人々に情報を提供することに尽力する。
 
さらに、FDAはコミナティとスパイクバックスの承認の一環として、mRNA COVID-19ワクチン接種後に心筋炎を発症した場合、長期的な心臓への影響があるかどうかを評価する研究の実施を各製造業者に対して義務付けている。これらの研究は現在進行中である。

ワクチン接種後の有害事象の報告方法

疑わしい有害事象は、FDAとCDCが共同管理するワクチン有害事象報告システム(VAERS)に報告することができる。

  • 監修 高濱隆幸(腫瘍内科・呼吸器内科/近畿大学病院 ゲノム医療センター)
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  • 原文掲載日 2025/06/25

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