FDAが乱用阻止性オピオイドに関するガイダンス案を発表/FDAニュース

FDAが乱用阻止性オピオイドに関するガイダンス案を発表/FDAニュース

FOR IMMEDIATE RELEASE:2013年1月9日
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FDAが乱用阻止性オピオイドに関するガイダンス案を発表

2013年1月9日、米国食品医薬品局(FDA)は乱用阻止性オピオイドの新規開発支援のための業界向けガイダンス案を発表した。

この「業界向けガイダンス:乱用阻止性オピオイド―評価および添付文書」には、開発製剤が乱用防止効果を有することを示すために実施しなければならない試験、当局による試験評価法および試験結果に基づいて承認される添付文書記載事項に関するFDAの現在の考えが示されている。

「FDAは米国で公衆衛生上の大きな問題となっている処方オピオイドの不適切な使用を強く懸念しています」とFDA長官のMargaret A. Hamburg医師は語る。「本ガイダンス案は、FDAが尽力してきた処方薬の乱用および誤用の防止において重要な位置を占めています」。

オピオイドの乱用方法はさまざまである。乱用阻止性オピオイドは、製剤に含まれる特定のオピオイド有効成分を鼻から吸引するために粉砕したり注射するために溶解したりといった、既知のまたは予測される乱用経路を標的としている。乱用防止に関する科学研究分野は比較的新しく、製剤技術およびそれを評価する解析法・臨床試験法・統計処理法のいずれも急速に発展している。FDAは製薬業界に対し、開発中の乱用阻止性オピオイドの評価および添付文書記載に関して柔軟かつ臨機応変に対応する意向を示している。

「処方オピオイドは疼痛管理において重要な薬剤ですが、オピオイドの乱用や誤用は全米で非常に多くの健康被害や死者を生み出しています」とFDA医薬品評価研究センターの規制プログラム副部門長であるDouglas Throckmorton医師は語る。「乱用防止の目的に特化した製剤の開発は、より安全なオピオイドの開発という目標への重要なステップとなります」。

FDAは乱用阻止性オピオイドの開発を引き続き奨励しており、この製剤によって処方オピオイド乱用が減少すると考えている。一方で、疼痛を有する患者に対しオピオイド鎮痛剤の適正な入手を保証するというFDAの立場に変わりはない。

本ガイダンス案は食品医薬品局安全・革新法(FDASIA)および国家薬物取締政策局(ONDCP)の処方薬乱用防止計画の要求を満たしている。

「我が国は処方薬乱用のまっただ中です」とGil Kerlikowske国家薬物取締政策局長は話す。「この公衆衛生上および安全上の問題に対する特効策はありませんが、乱用防止性を有する強オピオイドは、こうした状況の打開策となるかもしれません。本ガイダンスは米国における処方オピオイドの乱用を減少させるFDAの包括的な取り組みにおいて欠かせないものであり、われわれはFDAがこの問題に取り組む姿勢を高く評価しています」。

FDAはガイダンス案に対するパブリックコメントを60日間募集しており、乱用防止技術の開発および評価を促進する科学・臨床分野の研究を奨励している。コメントの提出方法は、次号の連邦官報に告示される予定である。また、FDAはガイダンス案について協議し、フィードバックを得るためにパブリック・ミーティングを開催する予定である。ガイダンス文書の策定にあたり、当局は一般から寄せられた情報を参考にする意向である。

詳しい情報については以下を参照のこと:

FDA: Draft Guidance for Industry: Abuse-Deterrent Opioids – Evaluation and Labeling (業界向けガイダンス案:乱用阻止性オピオイド—評価および添付文書)[原文]

・ONDCP: Prescription Drug Abuse (処方薬乱用)[原文]

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佐々木真理 訳
廣田 裕(呼吸器外科/とみます外科プライマリーケアクリニック)監修 
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原文

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