FDAが初の希少骨髄疾患治療薬Jakafiを承認/FDAニュース

FOR IMMEDIATE RELEASE:2011年11月16日
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FDAが初の希少骨髄疾患治療薬Jakafiを承認

本日、米国食品医薬品局 (FDA)は、骨髄線維症患者に対する初めての特異的治療薬Jakafi(ruxolitinib 〔ルクソリチニブ〕)を承認した。

骨髄線維症は、骨髄が線維化することにより、肝臓や脾臓といった骨髄外臓器での造血をもたらす疾患である。本疾患は、脾臓の腫大、貧血、白血球・血小板の減少、骨髄線維症に伴う症状をきたすことを特徴とする。

症状には、疲労、腹部不快感、肋骨下痛、満腹感、筋肉痛・骨痛、そう痒、寝汗がみられる。

Jakafiは、1日2回経口投与される薬剤で、血液・免疫機能に関与する酵素JAK1および2 (Janus Associated Kinase)を阻害する。骨髄線維症は、JAK1と2の制御が失われることに関与している。 

「Jakafiは、疾患の機序を詳しく科学的に理解することにより、薬剤の特異的分子経路への作用を可能にするという、近年腫瘍学で高まっている傾向を示す一例です」と、FDA医薬品評価研究センターの血液腫瘍製品室長であるRichard Pazdur医師は述べた。「今回の臨床試験は、脾臓の腫大や痛みなど骨髄線維症患者によくみられる障害に焦点を合わせています」。

Jakafiの安全性と有効性は、528人の患者を対象とした2つの臨床試験で評価された。両試験の患者は、実施可能な骨髄線維症治療や同種骨髄移植(遺伝子的に類似しているが必ずしも同一ではないドナーからの造血幹細胞移植)に抵抗性または不応性であった。全ての患者に脾臓の腫大(脾腫)がみられ、治療を必要とする骨髄線維症に関連する症状を有していた。

試験では、患者に対しJakafi投与、プラセボ(砂糖の錠剤)投与、現行での最適な治療(ヒドロキシウレア、化学療法薬、グルココルチコイド)のいずれかが選択された。脾臓サイズが35%以上縮小した患者の割合は、プラセボ投与または現行の最適治療を受けていた患者群と比べ、Jakafi投与群の方が高かった。同様に、腹部不快感、寝汗、そう痒、骨痛・筋肉痛などの骨髄線維症関連症状が50%以上改善した割合も、プラセボ投与群と比べ、Jakafi投与群の方が高かった。

Jakafi治療患者群でみられた最も重篤な副作用には、血小板数の減少(血小板減少症)、貧血、倦怠感、下痢、息切れ(呼吸困難)、頭痛、眩暈、嘔気があった。

Jakafiは、FDAの優先審査制度(現行の治療法より著しく高い治療効果が期待される薬剤や、これまで十分な治療法がない疾患に対する治療薬について、審査を6カ月に短縮する制度)の下で審査された。

本薬剤は、処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act)により承認目標日である2011年12月3日より早く承認され、希少医薬品として指定されており、それは米国で骨髄線維症患者が200,000人に満たないことを示している。

Jakafiは、デラウエア州ウィルミントンのIncyte社が製造している。

詳細については下記も参照のこと:

FDA: Office of Hematology and Oncology Products(血液腫瘍製品室)

FDA: Approved Drugs: Questions and Answers(承認薬:質問と回答)

NCI: Primary Myelofibrosis(原発性骨髄線維症)

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佐々木 亜衣子 訳
林 正樹(血液・腫瘍内科/敬愛会中頭病院) 監修              

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原文

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