2009/04/21号◆特集記事「早期発見を目的とした卵巣癌マーカーの検証的試験」 | 海外がん医療情報リファレンス

2009/04/21号◆特集記事「早期発見を目的とした卵巣癌マーカーの検証的試験」

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2009/04/21号◆特集記事「早期発見を目的とした卵巣癌マーカーの検証的試験」

同号原文

NCI Cancer Bulletin2009年4月21日号(Volume 6 / Number 8)
「第100回米国癌学会(AACR)年次総会から」

日経BP「癌Experts」にもPDF掲載中~

PDFはこちらからpicture_as_pdf

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特集記事[AACR報告]

早期発見を目的とした卵巣癌マーカーの検証的研究

血液にあらわれる卵巣癌の初期徴候を検出するため、可能性のある50以上のマーカーを対象に緻密な検証的研究を実施した結果、最も正確なマーカーはタンパク質のCA-125であることが明らかになった。同マーカーは、卵巣癌患者ですでに標準的に検査に用いられており、この試験で検討された複数のマーカーを併せても、CA-125単独による卵巣癌の検出能力をわずかに改善した程度であった。

CA-125は単独で卵巣癌の早期発見における最良のバイオマーカーではあることには変わりなかったが、HE4もほとんど同様の成績であり、また他の複数のマーカーも有望であったと、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のDr. Daniel W. Cramer氏は昨日、デンバーで開催された第100回米国癌学会(AACR)年次総会で述べた。

Cramer氏は、卵巣癌の早期発見に最も有望なマーカーを評価中の5つの研究グループを代表してこの結果を発表した。

「この検証的研究は非常に有益な試みです」とフォックスチェイスがんセンターの理事長であり、NCIのSPOREプログラム中の卵巣癌研究のリーダーであるDr. Michael Seiden氏はコメントした。Seiden氏は、卵巣癌検査で女性の命を救えるかという質問には、現在イギリスで進行中の試験のような、検診の有効性を評価する大規模前向き試験から答えを導くしかないと指摘した。

本研究は、NCIの早期発見研究ネットワーク(EDRN)および前立腺癌、肺癌、大腸癌、卵巣癌スクリーニング(PLCO)試験の共同プロジェクトであり、多くの専門家が参加していることと、臨床試験中に卵巣癌を発症した患者の診断前血液サンプルを含む上質のPLCO血液サンプルが使用された点で注目された。

「バイオマーカーを体系的に評価する目的で、初めて専門を異にする研究者らが集まりました」とEDRNプログラムを指導しているDr. Sudhir Srivastava氏は述べた。総じて、卵巣癌の診断前6カ月以内に採取された診断前血液マーカーの成績は診断時に評価されるマーカーの成績に匹敵した。

AACRでの発表後、EDRNの議長を務めるジョンズホプキンス大学シドニーキンメル総合がんセンターのDr.David Sidransky氏はこの研究を「大きな成果だ」とし、この結果は注目に値すると述べた。発見されて科学論文に掲載された癌のバイオマーカー候補の大多数は体系的な検証をなされることがないとSidransky氏は指摘した。今回ついに、卵巣癌の数種類のマーカーに関する検証が行われた。

とはいえ、「結局最後にCA-125に戻ることになり、少し考えさせられるものがあります」と、Sidransky氏は付け加えた。明らかにこの分野で最優先すべきことは、女性において最も致命的なタイプの卵巣癌を、診断される前に検出できる非侵襲性のマーカーを見つけることである。これは特に卵巣癌において至難の業である。なぜならこの疾患は多くの場合、腫瘍は急速に進行するためであるとSidransky氏は述べた。

卵巣癌患者は血中CA-125値を治療効果や再発の有無を調べるために定期的に測定しているが、一部の卵巣癌患者では癌以外の理由で高値になることがある。

U.S. Preventive Services Task Forceの現在のガイドラインでは、CA-125による卵巣癌の検診は推奨されていない。今月初め、PLCOデータを使用した別の試験で、卵巣癌検診はしばしば不要な外科手術に至ることが多く、しかも卵巣癌を早期ステージで検出できないという結論が出された。

卵巣癌研究が早期発見を促す可能性がある(NCIキャンサーブレティン2008年6月10日号)も参照のこと。

— Edward R. Winstead

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Nogawa 訳

関屋 昇(薬学)監修

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