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MDアンダーソン研究ハイライトSITC2022特集:頭頸部がん

がん免疫療法学会(SITC)2022特集

HPV陽性頭頸部がんのT細胞プロファイリングから、新たな細胞治療標的が見つかる(抄録番号:374

HPV関連頭頸部がんは、特異なウイルス免疫学的標的を持つことが特徴だが、免疫チェックポイント阻害薬が有効な患者はごく少数に限られている。HPVのタンパク質を直接標的とする細胞療法は、効果的な代替アプローチとなり得る。Nils-Petter Rudqvist博士が率いる研究チームは、高リスク型のウイルスであるHPV-16陽性の中咽頭がん患者3人について、標的抗原となりうるT細胞と関連するHPV16に対するT細胞応答を解析した。その結果、HPV16抗原に対する16種類の特異的なT細胞応答を確認し、その中には生存に関連するものも含まれていた。研究者らは現在、これらの結果を新しい細胞療法に応用しようとしている。Rudqvist氏は、11月10日にこの研究成果を発表する予定である。

HPV関連頭頸部がんに対する免疫療法と放射線療法の併用は有望(抄録番号:568

PD-L1が陽性である再発・転移性頭頸部がん(HNC)患者に対して、抗PD-1チェックポイント阻害薬は化学療法よりも生存率を向上させることが分かっている。しかし、HPV関連HNCでは、免疫療法を最適化するという課題が残されている。Maura Gillison医学博士が主導した第2相試験では、新たにHPV陽性HNCと診断された患者に対してイピリムマブ(抗CTLA-4抗体)(販売名:ヤーボイ)およびニボルマブ(抗PD-1抗体)(販売名:オプジーボ)を投与した後、これに加えて投与量および線量を調整した強度変調放射線治療(IMRT)を併用した場合を評価した。評価可能な患者において、本併用療法は完全奏効率90%、2年無増悪生存率86%を達成した。また、放射線治療開始前の組織学的解析では、48%の患者で残存腫瘍が10%未満(うち37%では残存腫瘍なし)であり、30%の患者で循環HPVが排除されていた。この結果は、本併用療法がこれらの患者に対する効果的な治療法として、さらに研究される価値があることを示唆している。Gillison医師は、11月11日に最新の結果を発表する予定である。

 

監訳:山崎知子(頭頸部・甲状腺・歯科/埼玉医科大学国際医療センター 頭頸部腫瘍科)

翻訳担当者河合加奈

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