ルカパリブは再発卵巣がんにおいて化学療法を上回る

ルカパリブは再発卵巣がんにおいて化学療法を上回る

ARIEL4試験の結果はPARP阻害剤ルカパリブ(販売名:Rubraca[ルブラカ])の使用を、BRCA1またはBRCA2変異のある再発卵巣がん患者に対する化学療法に代わる療法として支持するものとなった。

「私たちの知る限り、ARIEL4試験は、生殖細胞あるいは体細胞にBRCA1またはBRCA2変異のある再発卵巣がん患者を対象に、PARP阻害薬と、標準治療であるプラチナ製剤・非プラチナ製剤とを比較した初めての試験である」と研究者らはThe Lancet Oncology誌で述べている。

「本試験の患者集団は従来の試験とは異なり、プラチナ製剤抵抗性、プラチナ製剤部分的感受性、プラチナ製剤感受性の患者を含んでいる。この幅広い患者群において、ルカパリブは化学療法に比べて無増悪生存期間を有意に延長した」と、研究者は付け加えている。

本試験は非盲検試験であり、高異形度上皮性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんを再発した患者349人が登録され、233人がルカパリブ群(600 mg 1日2回投与)、116人が化学療法群(施設ガイドラインに沿った投与)に無作為に割り付けられた。

プラチナ製剤抵抗性または部分的感受性の患者には週1回パクリタキセルが投与され、プラチナ製剤感受性の患者にはプラチナ製剤ベースの単剤または2剤併用レジメンを用いた化学療法が実施された。

化学療法群のうち病勢進行を認めた74人(64%)はルカパリブ治療に移行した。

治療が有効であった患者(ルカパリブ群220人、化学療法群105人)の無増悪生存期間(PFS)の中央値はルカパリブ群が化学療法群より有意に長かった(7.4カ月対5.7カ月、ハザード比:0.64、95%CI:0.49~0.84)。

ルカパリブ群233人と化学療法群116人のITT解析対象集団でもPFSの中央値は同様で(7.4カ月対5.7カ月)、ハザード比は0.67(95%CI:0.52~0.86)だった。

「事前および事後指定のサブグループ解析の結果では、分析したほとんどの臨床サブグループにおいて、ルカパリブ治療は化学療法と比較して無増悪生存期間を延長していた」と研究者は報告している。

治療薬投与下で生じた有害事象(TEAE)のほとんどはグレード1または2だった。グレード3以上の有害事象で最も多かったのは貧血またはヘモグロビン減少だった。

治療に関連すると考えられる重篤な有害事象は、ルカパリブ群で32人(14%)、化学療法群で6人(5%)に発現した。

ルカパリブに関連する可能性があると考えられる死亡患者は3人だった(心疾患1人、骨髄異形成症候群1人、原因未確認1人)。

試験結果とともに掲載されたエディトリアル(巻頭辞)の著者はARIEL4試験のデータについて、「治療後に再発・進行したBRCA1およびBRCA2変異卵巣がん患者に対して、ルカパリブが化学療法の代替となる有効で妥当な治療法」であることを示している、と述べている。

「初回治療を最適化することが、他のどんな努力よりも有効なのが常である」と、セントジェームズ病院(ダブリン、アイルランド)のDearbhaile O’Donnell医師は述べている。

さらにO’Donnell医師は、 「つまりそれは、高異型度漿液性または高異型度類内膜卵巣がんの患者に、適切な外科的専門技術とプラチナ製剤による化学療法を提供するだけでなく、診断時にBRCA1/2変異と相同組み換え修復欠損(HRD)検査を実施し、PARP阻害薬治療の効果が期待される場合には化学療法後の早期にそれを開始するという、世界的に大きな挑戦を意味する」と付け加えた。

ARIEL4試験は、クロービス・オンコロジーの資金提供により実施された。複数の著者は同社と利害関係を有している。

翻訳担当者 岩佐薫子

監修 辻村信一(獣医学・農学博士、メディカルセンター)

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