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PSAの低下が前立腺がんにおけるアパルタミド治療の良好な転帰と関連

アンドロゲン除去療法(ADT)にアパルタミド(販売名:アーリーダ)を追加すると、限局性去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)患者の前立腺特異抗原(PSA)値が迅速かつ持続的に低下し、この低下が良好な予後と関連することが、SPARTAN試験データの事後解析から明らかになった。

「試験では、アパルタミド治療開始後にみられるPSA低下の開始と大きさが、無転移生存期間や全生存期間など臨床的に最も重要な転帰と実際に関連することが確認されました」と、ヴァンダービルト大学医療センター(テネシー州、ナッシュビル)泌尿器腫瘍科助教のJeffrey J. Tosoian博士は語る。

「アパルタミド治療の初期段階のPSA値は長期転帰に関する重要な情報を提供してくれることから、治療反応モニタリングにおいてPSA検査を使用することの意義がさらに裏付けられました」と、同氏は電子メールでロイター ヘルスに語った。同氏は本試験に参加していない。

European Urology誌の報告によると、モントリオール大学(カナダ、ケベック州)のFred Saad博士のグループが、プラセボ対照SPARTAN試験のデータを分析した。アパルタミド+ADT治療を受けた限局性去勢抵抗性前立腺がん患者806人を、同様の人口統計学的および臨床的属性を有するプラセボ+ADT治療を受けた患者401人と比較した。

6カ月後、プラセボ投与群の患者の大部分はPSAが上昇したのに対し、アパルタミド240mg/日を投与された群ではPSAが急速かつ大幅に低下し、この群の患者の90%は、中央値1.0カ月でPSAが50%以上低下し、57%の患者は中央値1.9カ月でPSAが90%低下した。

PSA最低値に到達するまでの期間の中央値は、アパルタミド治療を開始してから7.4カ月後であり、PSAの低下に遺伝子発現パターンによる違いはみられなかった。

90%以上のPSAの低下は、転移(ハザード比[HR]:0.41、P<0.001)または死亡(HR:0.45、P<0.001)のリスクと強く逆相関した。

「この試験の強みは、大規模な第3相ランダム化比較試験から遺伝子発現パターン別にPSA動態と反応を報告していることです」と語るのは、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(ヒューストン)泌尿器腫瘍内科助教のBilal A. Siddiqui博士である。

しかし同氏は、本試験が事後デザインであることが弱点であり、結果は確定的でないと指摘する。

「すべての患者で遺伝子発現解析のための組織を入手できたわけではなく、本病態における遺伝子発現パターンの意義も十分には解明されていません」と補足する。同氏は本試験に参加していない。「また、限局性去勢抵抗性前立腺がんは従来の画像検査に基づいて定義されていますが、より高感度に疾患を検出するPSMA PET(前立腺特異的膜抗原陽電子放出断層撮影)検査の採用が進めば、この病態の定義も変化するでしょう」。

「臨床医にとって、アパルタミド、エンザルタミド(販売名:イクスタンジ)、ダロルタミド(販売名:ニュベクオ)は、同等の有効性および許容可能な安全性を有しています」と説明する。「したがって、薬剤の選択は、個々の安全性プロファイル、薬物間相互作用、コストの問題を慎重に考慮して行われます」。

「患者は、さまざまなアンドロゲン受容体拮抗薬を治療に使用することができます」と、シティオブホープ総合がんセンター(カリフォルニア州、デュアーテ)がん生物学科教授兼学科長のShiuan Chen博士は言う。

同氏はロイター ヘルスに対し、「アパルタミドで得られた結果を、他の2剤で得られた結果と比較することが重要です」と電子メールで述べている。同氏も本試験には参加していない。「患者や臨床医は、アパルタミドの使用に伴う副作用に注意すべきです」。

本試験はJanssen Research & Development社の資金提供を受け、原稿作成を含むすべての面で関与した。著者らは、アパルタミドの製造元である同社との財務関係を報告している。

Saad博士はコメント依頼に応じなかった。

原典:https://bit.ly/3sqXBDj European Urology誌、オンライン版2021年12月13日

翻訳工藤章子

監修榎本裕(泌尿器科/三井記念病院)

原文掲載日

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