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再発卵巣がんに腫瘍減量手術が有効

腫瘍減量手術と化学療法の併用により、再発卵巣がん患者の生存期間が、化学療法単独の場合よりも約8カ月長くなることが、DESKTOP III試験(ランダム化比較試験)の結果、明らかになった。

全生存期間の中央値は、化学療法単独群201人では46.0カ月であったが、化学療法と腫瘍減量手術の併用群206人では53.7カ月であった(P=0.02)。

また、手術併用群のうち実際に手術を受けた患者では、全生存期間の中央値が55.5カ月であったと、研究者らがNew England Journal of Medicine誌にて報告している。

完全切除を受けた患者(76%)ではさらに長く、61.9カ月であった。

無増悪生存期間の中央値は、化学療法単独群では14.0カ月、手術併用群では18.4カ月であった。実際に手術できた場合は18.5カ月であった。

ドイツのエッセンにあるエッセン・ミッテ・クリニックのPhilipp Harter医師を中心とする研究チームは、年齢、治療歴、初診時の腫瘍ステージなどの要因は、今回の結果に影響を与えなかったと記している。

本試験は、再発卵巣がん手術の役割を明確にした最新の試験である。試験参加者のすべてが、プラチナ感受性の再発卵巣がんであった。

今年、本試験に先立って発表されたSOC-1試験でも、手術による効果が認められた。2019年に発表されたGOG-0213試験では、無増悪生存期間や全生存期間に差はみられなかったが、「主に手術への無作為化を組み込んだ化学療法試験であり、手術の品質管理を規定していなかった」と、ニューヨーク市にあるスローンケタリング記念がんセンターのGinger Gardner医師とDennis Chi医師がリンク先の論説で述べている。

DESKTOP III試験の結果は、2020年5月、米国臨床腫瘍学会の国際会議のバーチャルプレゼンテーションで発表されたものである。

出典: https://bit.ly/3E43mdhhttps://bit.ly/3peQJGa The New England Journal of Medicine誌、オンライン版2021年12月1日

*監修者注:
 腫瘍減量手術群で完全切除できた人の生存期間中央値61.9カ月という好成績が腫瘍減量手術群の生存期間中央値全体を延ばし、化学療法単独群と比較して有意差がついた可能性もあります。ギリギリの有意差なら、助からないなら8カ月の延命よりも手術されないことを選ぶという患者さんもいると思われます。逆に言えば手術前の画像評価で完全切除できそうな患者さんだけ手術の話を持ちかける、というのが最も良いかと思います。

翻訳担当者藤永まり

監修喜多川 亮(産婦人科/総合守谷第一病院 産婦人科)

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