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短期放射線療法は前立腺摘出後の新たな標準療法

前立腺摘出術後、より少ない分割数で高線量の放射線を照射しても、従来の放射線治療と比較して、長期にわたる副作用は増加せず、QOLの低下にもつながらないことが第3相試験の結果で明らかになった。

寡分割照射法(HYPORT)は、前立腺摘出術後に放射線治療を受ける患者にとって「新たに許容できる標準的療法です」とMark Buyyounouski医師は、米国放射線腫瘍学会(ASTRO)年次総会で本試験結果を発表した。

寡分割照射法は、複数の無作為化試験結果を根拠に、前立腺摘除術を受けないことを選択した前立腺がん患者に対してすでに一般的に行われている。「本試験は、寡分割照射法が前立腺摘出を選択した男性に対して実施可能な選択肢であるかを評価する初の試験です」と、Buyyounouski医師(カリフォルニア州スタンフォード大学医学部)は説明した。

同医師らは、296人の男性を前立腺摘出術後に寡分割照射法を5週間受ける群と、術後に通常分割法による放射線治療を7週間受ける群に1対1の割合で無作為に割り付け、患者が報告した泌尿器系(GU)および消化器系(GI)の副作用を比較した。

治療終了時および治療後6カ月、12カ月、および24カ月時点の泌尿器系および消化器系の副作用は、Expanded Prostate Cancer Index Composite(EPIC)を用いて数値化した。

放射線治療終了時、患者のGUスコア変化の平均値は両群間で差はなかったが、寡分割照射法治療を受けた患者が治療直後に報告した消化器系症状は悪かった。

しかし、6カ月後には、患者が報告した泌尿器系(GU)および消化器系(GI)副作用、ならびにGUまたはGIスコアの変化で示されたQOLは、両群間の差は認められず、2年間の試験期間終了時まで同様の結果が得られた。

寡分割照射法は、「2年後の時点の患者報告による泌尿器系(GU)または消化器系(GI)毒性の点で、通常分割法による放射線治療に対して非劣性でした」とBuyyounouski医師は出席者に語った。

同医師は、治療後早期に患者らが何らかの副作用を訴えたことは意外ではないと言う。

「放射線治療の短期副作用についてはよくわかっており、患者さんもそれを理解しています。結局患者さんが知りたいのは副作用が治まるかどうかであって、それこそ今回の研究が示すものです」と学会発表で強調した。

本研究の招待討論参加者であるマサチューセッツ総合病院がんセンター(ボストン市)のSophia Kamran医師は語る。「臨床現場では、前立腺がんに対して寡分割照射法を行う方向に進んでいて、前立腺摘出をしない治療では幅広く採用されていますが、今や前立腺摘出後の治療としても評価されてきました 」。

前立腺摘出後の状態における研究結果は、「診療を変える可能性があります」とKamran氏は述べる。

寡分割照射法は患者に「時間短縮」および「治療費削減」の利益をもたらし、放射線科は医療資源をより有効に活用できるようになると同氏は語った。

SOURCE: https://bit.ly/2ZvRpxR 米国放射線腫瘍学会(ASTRO)年次総会(2021年10月25日発表)

翻訳佐藤美奈子

監修松本 恒(放射線診断/仙台星陵クリニック)

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