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プラチナ療法+ベリパリブは喫煙肺がん患者では延命効果がない可能性

喫煙習慣のある進行性扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する初回治療としてのプラチナ製剤ベース化学療法へのveliparib[ベリパリブ]追加は、第3相試験で全生存期間を有意に延長しなかった。

しかし、化学療法へのベリパリブ追加により「改善する可能性が高い」患者をLP-52遺伝子の発現により特定できる可能性があると、研究者らはJournal of Clinical Oncology誌で報告している。

「扁平上皮非小細胞肺がんは治療の選択肢が限られている。ベリパリブは強力な経口PARP1/PARP2阻害薬であり、固形がんに対するプラチナベース化学療法レジメンの活性を強化する」と、ウィンシップがん研究所(アトランタ)のSuresh S. Ramalingam博士らは記載している。

本研究では、未治療の進行扁平上皮非小細胞肺がん患者970人(うち現喫煙者57%)を、カルボプラチン+パクリタキセル併用療法にベリパリブ(120mg、1日2回)を上乗せ投与する群と、カルボプラチン+パクリタキセルにプラセボ(1日2回)を投与する群に無作為に割り付け、それぞれ最大6サイクル投与した。

主要評価項目である現喫煙者の全生存期間では、ベリパリブによる有意な改善は認められず、中央値はベリパリブ群で11.9カ月、プラセボ群で11.1カ月であった(ハザード比[HR]0.905、95%信頼区間[CI]0.744~1.101)。

患者全体では、全生存期間中央値はベリパリブ群で12.2カ月であったのに対しプラセボ群では11.2カ月で、ベリパリブが優位であった(HR 0.853、95%CI 0.747~0.974)。無増悪生存期間には差がなかった(両群とも中央値5.6カ月)。

バイオマーカー評価可能な腫瘍サンプルがあった患者360人のうち、LP-52陽性グループの全生存期間で、ベリパリブに良好な効果が認められた(中央値14.0カ月対9.6カ月、HR 0.66、95%CI 0.49~0.89)。

「現喫煙者において、カルボプラチン+パクリタキセルへのベリパリブ上乗せの有益性は認められなかったものの、LP-52陽性グループでは、ベリパリブはプラセボと比較して死亡リスクを34%減少させた」と研究者らは論文に記載している。

「これらの結果は、バイオマーカーで識別されたグループが、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ阻害(PARP阻害)によって、より大きな利益を得られる可能性を示しており、治療感受性の高い患者を特定するためのバイオマーカー使用を支持するものである」と結論づけている。

本研究は、ベリパリブを製造するAbbVie社からの資金提供を受けた。複数の著者が同社による資金援助を公表している。

出典:https://bit.ly/3DQZQ6r Journal of Clinical Oncology誌 オンライン版  2021年8月26日

翻訳田代両平

監修髙濱隆幸(腫瘍内科/近畿大学奈良病院)

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