米FDAが骨髄移植のための幹細胞採取量を増大させる薬剤モゾビル〔Mozobil〕を承認

FOR IMMEDIATE RELEASE:2008年12月18日 Media Inquiries:Karen Riley, 301-796-4674 Consumer Inquiries: 888-INFO-FDA

FDAが中等度から重度の疼痛緩和に新薬を承認

米国食品医薬品局(FDA)は、ある種の血液癌患者の骨髄移植用に血液幹細胞数の増加を促すモゾビル〔Mozobil〕(plerixafor)を本日付で承認した。 モゾビルは、多発性骨髄腫または非ホジキンリンパ腫に罹患した成人の治療向けに、成長因子である顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)と併用して使用されるものである。多発性骨髄腫は、骨髄の中の細胞で感染や病気との闘いを助ける抗体を生み出す細胞である、形質細胞の癌である。非ホジキンリンパ腫は、白血球の一種であるリンパ球に由来する多様な血液細胞癌の一群である。この種の癌にかかった患者は、高用量の化学療法や放射線療法を受ける前に、治療後に再注入するために血液幹細胞を集め、貯蔵するアフェレーシスという施術を行うことがある。G-CSFは通常、骨髄から幹細胞を放出させ、それを集める目的で投与される。モゾビルはG-CSFとともに使用される場合、骨髄から放出される幹細胞の血中濃度を高める注射薬である。 「骨髄移植に必要な数百万個の細胞を集めるには、数時間あるいは数日間かかることもある」「モゾビルは、治療後に再注入を行うために、与えられた時間の中で集められる幹細胞の数を増やすことによって、いくつかのタイプの血液癌の患者に新たな治療の選択肢を与える」とFDA医薬品評価研究センター抗癌製剤局長のリチャード・パズデュール医師は述べている。 非ホジキンリンパ腫の患者と多発性骨髄腫の患者それぞれを対象とする2つの無作為化臨床試験において、G-CSF併用でのモゾビル投与は、G-CSF単独による患者に比べ、集められ移植される幹細胞の数を増加させた。 これらの臨床試験やその他の小規模研究で報告されている最も一般的な副作用は、下痢、悪心、倦怠感、注射部位の各種反応、頭痛、関節痛、めまい、嘔吐である。 モゾビルはジェンザイム社(マサチューセッツ州ケンブリッジ)が製造している。

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越智律子 訳 林 正樹(血液・腫瘍科) 監修 

原文

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