ネクサバール(sorafenib、BAY43-9006)(RAFキナーゼ阻害性抗癌剤)腎癌2004 | 海外がん医療情報リファレンス

ネクサバール(sorafenib、BAY43-9006)(RAFキナーゼ阻害性抗癌剤)腎癌2004

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ネクサバール(sorafenib、BAY43-9006)(RAFキナーゼ阻害性抗癌剤)腎癌2004

BAY43-9006(Rafキナーゼ阻害性抗癌剤 一般名sorafenib) Onyx Pharmaceuticals オニックス=ファーマシューティカルズHPより

http://www.onyx-pharm.com/products/bay_43_9006.html

BAY43-9006は、当社(Onyx Pharmaceuticals オニックス=ファーマシューティカルズ)とバイエル社の共同研究から生まれたもので、この共同研究の主眼はRAS経路における不正増殖シグナルの阻害因子を特定し開発することであった。 

 

BAY43-9006は、細胞増殖を阻害するRAF/MEK/ERKシグナル経路と、腫瘍血管新生を阻害するVEGFR-2/PDGFR-゜ シグナル伝達系をともに標的とする初めての薬剤である。 RAFキナーゼは、RAS経路に特異的に存在する酵素である。 RAS遺伝子上の突然変異は、ヒトの全癌種の20%に生じており、これには膵臓癌の90%、大腸癌の50%、非小細胞肺がんの30 %が含まれる。 

 

最近の研究では、特異的RAFキナーゼであるBRAFの突然変異は、メラノーマの3分の2と、パーセンテージは低いが大腸直腸癌その他の固形癌においても見られることがわかった。VEGFR-2 およびPDGFR-゜は、血管内皮成長因子(VEGF)と、血小板由来増殖因子(PDGF)の受容体であり, これらが血管新生において重要な役割を果たしている。 (動画あり省略)  

 

バイエル社とオニックス社はBAY 43-9006の国際的・多施設での大規模第III相臨床試験を、進行腎癌の患者に対して実施中である。 同薬剤はまた、腎癌、メラノーマ、肝癌その他の癌に対しての単剤治療の第II相試験を複数拠点において実施中であり、また、さまざまな標準的化学療法との組み合わせによる第Ib相試験も数箇所で実施中である。 

 

両社はまた、既述の癌種以外の癌に対しても、単剤および既存の抗癌剤との組み合わせによる効果を検証するため、さらに臨床試験を進める可能性がある。 その最初の1つが、進行悪性黒色腫に対してのカルボプラチン・パクリタキセルとの併用試験で、BAY 43-9006の極めて重要な臨床試験となりそうだ。  

 

2004年6月、ASCO会議において、BAY 43-9006の第II相試験の中間データと、併用療法での第I/II相試験の中間結果が発表された。 新たに報告された第II相試験のデータでは、BAY 43-9006は進行腎癌患者において腫瘍縮小および病勢の安定といった持続的な反応を示している。この会議で発表された分析データには、12週間にわたって追跡を受けた、評価対象となりうる89名の臨床試験参加者(全106名の進行腎癌患者中)の腫瘍反応および、25%を超える腫瘍縮小のあった37名についての反応期間のデータが含まれる。 

 

12週目の評価にて50%以上の腫瘍縮小が見られた参加者は13名で、この内9名の患者については、それから6週間以上経過した後の画像検査でこの縮小率が確認された。38名に病勢安定が見られ、無作為割付された。残りの31名は病勢の進行があったか、他の理由により臨床試験参加を中止した。 

 

研究者の評価によれば、腫瘍縮小が見られ、引き続きオープンラベルの臨床試験においてBAY 43-9006の投与を受けた37名の患者全体での腫瘍進行までの中央値は48週間と推定される。このうち88%においては6ヵ月の無増悪期間があった。   (プレスリリース参照―省略) この第II相試験の中間データは確認され、その後の経過とともに2003年秋のAmerican Association for Cancer Research-National Cancer Institute-European Organization for Research and Treatment of Cancer (AACR-NCI-EORTC)(アメリカ癌研究協会-国立癌研究所-ヨーロッパ癌治療研究機構)とNDDO主催第2回International Symposium on Signal Transduction Modulators in Cancer Therapy(癌治療におけるシグナル変換モジュレータに関する国際シンポジウム)でも発表された(プレスリリース参照―省略)。  

 

また2004年のASCO会議では、進行悪性黒色腫へのカルボプラチン・パクリタキセルとの併用試験(第I/II相)についても、持続的な部分寛解をはじめとする有望な中間データが研究者から発表されている。臨床試験参加者35名のうち、併用療法を受けた患者の83%に腫瘍縮小(40%)または病勢の安定(43%)が見られた。腫瘍が縮小した40%(14名)は、30%以上の縮小が6ヵ月以上持続した。 6名は病勢の進行または他の理由による臨床試験中断。 

 

研究者の評価に基づく、評価対象患者全体の腫瘍再燃までの中央値は10ヵ月と見られる。 この多剤併用療法試験で見られた非血液系副作用は、それぞれ単剤投与で見られるものと同内容であった。しかも、薬剤動態分析では、BAY43-9006と既存の化学治療薬との間に特に有意な相互関係はなかった。 (プレスリリース参照)   これらの結果から、BAY 43-9006は幅広い癌種において、既存の放射線および化学療法との併用や有効性を妨げるような有害作用なしに、病勢の進行を止めたり遅らせたりする可能性があると考えられる。 

 

新しい作用機序を持ち、より副作用の少ない療法であれば、従来の癌治療との併用でその効力を高め、患者の生存率やQOLを向上させるために役立つことが期待される。 当社とバイエル社との共同開発の契約上、オニックスはBAY 43-9006開発費用の50%を負担することになっており、バイエル社との共同販売を行う米国内では利益を折半する。 日本以外の各国ではバイエルが独占販売権を持つため、当社の利益配分や50%を幾分下回る。 日本では、バイエルが開発に出資し、オニックスはロイヤルティを得る。(後略)

(葉っぱ 訳・林 正樹(血液・腫瘍科) 監修)  


注:参考記事http://www.cimasj.co.jp/sumple/kigyo.pdf “バイエル薬品 RAFキナーゼ阻害性分子標的抗癌剤「BAY43-9006」日本で第1相試験開始”

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