[ 記事 ]

FDAがB細胞リンパ腫(DLBCL)にCAR-T療法薬tisagenlecleucelを承認

2018年5月1日、米国食品医薬品局(FDA)は、2回以上の全身療法後にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、特定不能の高悪性度B細胞リンパ腫および濾胞性リンパ腫から発生したDLBCLなどの再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫を有する成人患者に対するCD19を標的とした遺伝子導入自己T細胞免疫療法薬であるtisagenlecleucel[チサゲンレクロイセル](商品名:KYMRIAH[キムリア]、Novartis Pharmaceuticals Corp.社)を承認した。

 

 

今回の承認は、濾胞性リンパ腫から転化したDLBCLおよび再発性または難治性DLBCLを有する成人を対象とした単群非盲検多施設第2相試験(JULIET、NCT02445248)に基づくものである。対象患者は、アントラサイクリンおよびリツキシマブによる治療を含む少なくとも2種類の治療を受けた患者、または自家造血幹細胞移植後に再発した患者である。患者は、化学療法によるリンパ球除去後に、チサゲンレクロイセルの単回投与を受けた。

独立判定委員会によって評価された解析対象の68人の全奏効率(ORR)は50%(95%CI:37.6~62.4) )で、完全奏効(CR)率は32%(95%CI:21.5~44.8)であった。追跡期間の中央値は9.4カ月であり、最良総合効果がCRであった患者は部分奏効(PR)の患者と比較し、奏効期間(DOR)が長かった。CRの患者における推定DOR中央値は得られなかった(95%CI:10.0カ月、推定不可能[NE])。 PRの患者の推定奏効期間の中央値は3.4カ月(95%CI:1.0、NE)であった。

 

 

本試験の患者において最もよく見られた副作用(発生率> 20%)は、サイトカイン放出症候群(CRS)、感染症( 病原体不明)、発熱、下痢、悪心、疲労、低血圧、浮腫および頭痛であった。 CRSおよび神経毒性の重篤なリスクのため、FDAはリスク評価・軽減対策(Risk Evaluation and Mitigation Strategy)をもとにチサゲンレクロイセルを承認した。

 

 

再発性または難治性の成人DLBCLに対するチサゲンレクロイセルの推奨用量は、0.6〜 6.0 x 108個のCAR陽性生存T細胞である。中枢神経系原発悪性リンパ腫の患者の治療には、チサゲンレクロイセルは適応していない。

 

 

全処方情報はKYMRIAH Package Insertに記載されている。

 

 

FDAは本申請を優先審査、画期的治療薬およびオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定した。 FDAの迅速承認プログラムに関する情報は、企業向けガイダンス、重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品および生物学的製剤(Expedited Programs for Serious Conditions-Drugs and Biologics)に記載されている。

 

翻訳西原 晋

監修喜安純一(血液内科・血液病理/飯塚病院 血液内科)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事