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胃癌にドセタキセルを加えることで生存率を改善する

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胃癌にドセタキセルを加えることで生存率を改善する

Adding Docetaxel Improves Survival in Stomach Cancer
(Posted: 05/15/2005)2005年ASCO会議での報告によると、進行胃癌患者の化学療法にドセタキセル(タキソテール)を加えることで、2年以上生存した患者数が増加した。


要約
進行胃癌の治療に使用される化学療法剤にドセタキセルを加えることによって、すくなくとも 2年間生存する患者の数が増加しました。この試験結果は、進行胃癌の患者に新たな治療法の選択肢を提供します。

出典

フロリダ州オーランドで開催された米国癌治療学会年次総会( 2005年5月15日発表)

背景
他臓器に転移した胃癌患者では、予後は芳しくありません。このような進行した病期では、手術(手術による癌摘出)は不可能です。進行期の胃癌患者に対する治療として、単一の薬剤および複数の薬剤の組み合わせが使用されていますが、どの治療法でも長期の生存期間の改善が認められていません。進行期の胃癌患者で 2年間生存できる割合は約11.5%しかありません。

ドセタキセルをプレドニソンと併用して進行前立腺癌の患者に投与した場合、生存期間の中央値が2ヶ月延長されることが認められました。ドセタキセルをその他の化学療法剤と併用投与した場合、乳癌患者においては、病勢進行までの期間が延長され、また進行した手術不能な肺癌患者では、いくらかの有用性があることが認められました。臨床試験を実施した医師達は、ドセタキセルが進行した手術不能な胃癌患者に対しても有益であることを証明できないか考えました。

試験

前治療として化学療法を受けていない進行胃癌の患者 457名が、この国際臨床試験に参加しました。患者は進行胃癌の治療法の一つである、シスプラチンと5-フルオロウラシル(5-FU)を組み合わせた化学療法か、この療法にドセタキセルを加えた治療法のいずれかに無作為に割り当てられました。患者の追跡調査は、中央値でほぼ2年間行われました。本臨床試験の責任医師はロシアのサンクトペテルブルグにある癌研究所の Vladimir M. Moiseyenko医師です。

結果
ドセタキセルの治療を受けた患者の 18%が2年間生存したのに対し、シスプラチン+5-FUのみの治療を受けた患者では9%でした。別の言い方をすれば、ドセタキセル治療を受けた患者では、胃癌による死亡の危険率が23%減少したということです、と Moiseyenko医師は語っています。

シスプラチン+ 5-FUのみの治療を受けた患者に対し、ドセタキセル治療を受けた患者では、病気の進行が有意に遅くなりました。さらに、腫瘍が少なくとも半分に縮小した患者の数はドセタキセル治療群のほうで多く見られました。

副作用については、ドセタキセル治療群のほうが頻繁に見られました。ドセタキセル治療群では、白血球数の減少、下痢および感染症にかかる可能性がより高くなりました。シスプラチン+ 5-FUのみの患者では、貧血、あるいは血小板減少をきたす可能性が高くなりました。

制限事項
ボストンの Dana-Farber Cancer InstituteのRobert J. Mayer医師は、 ドセタキセル、シスプラチン、 5-FUの3つを組み合わせた療法が、シスプラチン+5-FUのみの療法よりも治療上優位なのは明らかであったけれども、この療法は、副作用、特に白血球数減少の発症率が高くなると警告しました。

コメント
シスプラチン+ 5-FUにドセタキセルを組み合わせた療法は、進行胃癌の患者に対する「治療法の新しい選択肢を提供しました」と Moiseyenko医師は語っています。

進行胃癌患者の治療における最良の成果は、シスプラチン、 5-FUとドセタキセルもしくはエピルビシンを含む療法によって実現した、と Mayer医師は語っています。しかし、進行胃癌に対する単剤による化学療法で、その他の選択肢よりも優れているものはまだないと、Mayer医師は結んでいます。

(ポメラニアン訳・島村義樹(薬学) 監修)

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