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二塩化ラジウム 223とアビラテロン+プレドニゾン併用に関する警告

進行中の前立腺がん臨床試験で、死亡および骨折リスクの上昇が示される。

欧州医薬品庁(EMA)は、2017年11月27~30日に開催されたファーマコビジランス(市販後医薬品安全性監視)・リスク評価委員会(PRAC)の会合において、二塩化ラジウム 223に関する死亡および骨折リスクの上昇について調査中であることを発表した。前立腺がん治療薬である二塩化ラジウム 223(商品名:Xofigo[ゾーフィゴ])を用いた臨床試験が現在進行中であり、死亡および骨折リスクの上昇が報告されている。

 

この臨床試験は二塩化ラジウム 223とプラセボを比較しており、両剤ともアビラテロン(商品名:ザイティガ)+プレドニゾンあるいはアビラテロン+プレドニゾロンと併用されている。臨床試験では、無症状あるいは軽い疼痛などの軽度の症状を呈する前立腺がん患者を対象としている。

 

この臨床試験を監視する独立委員会による中間解析では、死亡率が二塩化ラジウム 223併用群では27%(患者401人中109人)であったのに対し、プラセボ併用群では20%(患者405人中82人)であった。また、骨折の頻度は、ゾーフィゴ併用群の方がプラセボ併用群よりも高かった(24%対7%)。

 

本試験対象患者に対しては、ゾーフィゴによる治療は終了し、現在、対象患者全例を慎重に監視している。

 

欧州医薬品庁(EMA)のPRACは、本試験の全結果や、それ以外に入手可能なデータを検討し、ゾーフィゴの確立された使用法に与える影響を評価する予定である。

 

全ての調査は現在進行中であるが、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者治療において、ゾーフィゴ(二塩化ラジウム 223)とアビラテロン(ザイティガ)+プレドニゾン/プレドニゾロンとの併用投与を行わないよう医師に勧告している。

 

現在、ゾーフィゴによる治療を受けており、その治療に関し疑問がある患者は、主治医に相談してください。

 

ゾーフィゴは前立腺がん患者の治療に用いられている。内科的去勢あるいは外科的去勢が効果を示さなかった場合、および、がんが骨に転移し疼痛などの症状を引き起こしている場合、ゾーフィゴの使用が認められる。ザイティガはmCRPC患者に対し使用されている。

 

ゾーフィゴとザイティガ+プレドニゾン/プレドニゾロンとの併用投与に関する試験は現在進行中である。対象患者は無症状あるいは軽度の症状を呈し、化学療法歴のない、主に骨に転移したCRPC患者である。

 

ゾーフィゴは、2013年11月、EUで認可を受けている。

 

ゾーフィゴの再調査は、欧州議会および理事会規則(EC)No 726/2004 第20項に基づき、欧州委員会の要請により開始された。

 

審査は、EMAのPRACによって行われている。PRACは、ヒト用医薬品の安全性問題を評価し、一連の勧告を担当する委員会である。PRACの勧告は医薬品委員会(CHMP)に申し送られる。CHMPは、ヒトへの薬剤使用に関する意見を採用し、その問題を担当している。この審査手順の最終段階は、欧州委員会による法的拘束力のある決定の採択である。その決定は全EU加盟国に適用される。

翻訳三浦 恵子

監修河村 光栄(放射線腫瘍学、画像応用治療学/京都大学大学院医学研究科)

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