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レテルモビルの同種造血幹細胞移植後CMV感染予防効果についての試験結果

先月の米国食品医薬品局(FDA)によるレテルモビルの承認後、New England Journal of Medicine誌は本日、新薬の重要な第3相臨床試験からの主要な結果を発表した。レテルモビルは、同種造血幹細胞移植(HSCT)を受けた成人のサイトメガロウイルス(CMV)血清陽性レシピエント(R+)におけるCMV感染およびCMV感染症を予防するための新薬であり、Merck & Co社がPREVYMISという商品名で製造している。本試験の結果は電子版で発表されており、近刊予定の印刷版に掲載される。その結果は2月に初めて報告され、薬剤自体の有用性を打ち消す副作用がなく、移植患者のCMV感染を防ぐ有効な薬剤を見出すための10年におよぶ努力の中で飛躍的前進であると研究著者らは話す。今回の数年にわたる主要臨床試験は、ダナファーバー/ブリガム・アンド・ウィメンズがんセンターの研究者主導によるものであり、新薬が、移植後の患者が最もよく直面するウイルス感染を防ぐことが可能であることを示した。

 

同種造血細胞移植を受けたCMV血清陽性患者は、CMV再活性化のリスクが高い。CMV感染はこれらの患者によくみられる臨床的に重大な合併症であり、移植後早期のCMV再活性化は、高い死亡率と関連している。レテルモビルは、ウイルスのターミナーゼ複合体を標的とすることでCMVの複製を阻害する画期的な抗ウイルス薬である。

 

「本試験は、造血細胞移植後の患者に予防的に処方できる有効性の高い抗ウイルス新薬を見出すという10年以上に及ぶ取り組みを完結させるものです」とボストンのダナファーバー/ブリガム・アンド・ウィメンズがんセンターで移植や腫瘍に伴う感染症の担当医であるFrancisco M. Marty医師は述べた。「細胞移植を受けた患者は、すでに多大な困難に直面しています。これらの移植に伴い最も頻発し、潜在的に危険な合併症の一つを回避する一助となるのは大変有意義なことです」。

 

この試験では、移植後24週間で臨床的に有意なCMV感染を起こした患者の割合を主要な有効性評価項目としているが、試験を中断した患者や、24週の時点で評価項目のデータが得られなかった患者もCMV感染を起こしたものとして評価されている。それによると、CMV感染を起こした患者は、レテルモビル群(37.5%、325人中122人)では、プラセボ群(60.6%、170人中103人)と比べて統計学的に有意に少なかった(p<0.001)。臨床的に重大なCMV感染を防ぐレテルモビルの治療効果は、移植後14週(治療終了)と24週の双方でCMVの再活性化に対しあらかじめ規定された高リスク層と低リスク層を問わず一貫していた。レテルモビル投与を受けた患者の全死因死亡率は、移植後24週および48週においてプラセボ群より低かった。

翻訳太田奈津美

監修野﨑健司(血液・腫瘍内科/大阪大学大学院医学系研究科 )

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