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ALK陽性転移性非小細胞肺がんに対してアレクチニブを承認

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ALK陽性転移性非小細胞肺がんに対してアレクチニブを承認

米国食品医薬品局(FDA)

2017年11月6日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDAが承認した検査で未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)が陽性である転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療に対して、アレクチニブ(商品名:アレセンサ、Hoffmann-La Roche、Inc.社/Genentech、Inc.社)を承認した。

 

2015年12月、アレクチニブは2つの単群試験の患者87人および138人において、独立審査委員会により評価された全奏効率がそれぞれ38%および44%との結果に基づき、クリゾチニブに抵抗性又は不耐容のALK陽性転移性NSCLC患者の治療に対して迅速承認を受けた。

 

今回の承認は、転移病変に対して全身化学療法を過去に受けていないALK陽性NSCLC患者303人を対象に実施された無作為化多施設共同非盲検の実薬対照試験であるALEX(NCT02075840)試験のデータに基づいている。

 

すべての患者で、中央検査機関にて実施されたVENTANA ALK(D5F3)CDxアッセイによるALK遺伝子再構成の検出を必須とした。

 

患者は、アレクチニブ600mgを1日2回経口投与する群(n = 152)と、クリゾチニブ250mgを1日2回経口投与する群(n = 151)に1:1に無作為に割り付けられた。

 

ALEX試験で、盲検化された独立審査委員会によって評価された無増悪生存期間(PFS)にて改善が示され、ハザード比は0.53(95%CI:0.38-0.73; p <0.0001)であった。

 

推定PFSの中央値は、アレクチニブ群の患者で25.7カ月(95%CI:19.9-推定不能(NE))であったのに対して、クリゾチニブ群の患者では10.4カ月(95%CI:7.7-14.6)であった。

 

独立審査委員会によって評価された、当該がんに起因する中枢神経系の進行までの時間についても、有意に改善した。がんの進行が初めに起こった部位が中枢神経系である頻度は、同時に全身で進行した症例も含めて、クリゾチニブ群(45%)と比較して、アレクチニブ群(12%)で低かった。

 

確定された奏効率は、アレクチニブおよびクリゾチニブ群でそれぞれ79%(95%CI:72-85)および72%(95%CI:64-79)であった。

 

アレクチニブ群の奏効例120人およびクリゾチニブ群の奏効例109人のうち、奏効期間が12カ月以上の患者の割合は、それぞれ64%および36%であった。

 

中枢神経系の病変についてはすべての患者において評価された。

 

ベースラインの脳スキャンで測定可能な中枢神経系病変を有していた43人の患者のうち、盲検化された独立審査委員会の神経放射線科医によって評価された中枢神経系での奏効率は、アレクチニブ群で81%(95%CI:58-95)、クリゾチニブ群で50%(95%CI:28-72)であった。

 

測定可能な中枢神経系病変および中枢神経系での奏効を認めた患者のうち、中枢神経系奏効期間が12カ月以上の患者の割合は、アレクチニブ群で59%、クリゾチニブ群で36%であった。

 

最も多かった有害反応(ALEX試験でアレクチニブを服用した患者の20%以上に発現)は、倦怠感、便秘、浮腫、筋肉痛および貧血であった。

 

アレクチニブを投与した患者の28%に重篤な有害反応が認められた。

 

アレクチニブ投与中止に至った有害反応は11%の患者に発現した。

 

1%以上の患者において発現した、アレクチニブ投与中止に至った有害反応は、腎障害、高ビリルビン血症、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加であった。

 

有害反応による投与中断は、アレクチニブ投与患者の19%で生じ、16%で投与量の減量が必要となった。

 

アレクチニブの推奨用量は食後に600mgの1日2回経口投与である。

 

全処方情報については、https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/208434s003lbl.pdfを参照。

 

FDAは2016年9月にこの適応に対しアレクチニブを画期的治療薬に指定している。

 

FDAの迅速プログラムの説明は、企業向けガイダンス「重篤疾患のための迅速承認プログラム–医薬品および生物学的製剤」を参照のこと。http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf.

 

医療従事者は、医薬品および医療機器の使用との関連が疑われるすべての重篤な有害事象をFDAのMedWatch Reporting Systemに報告する必要がある。報告は、オンラインでのフォームの提出(http://www.fda.gov/medwatch/report.htm)、オンラインで入手可能なフォーム(郵便料金受取人払)の郵送・FAX(1-800-FDA-0178)、または電話(1-800-FDA-1088)のいずれかの方法で行う。

 

Oncology Center of Excellenceのツイッターのフォローはこちらから@FDAOncology.

 

最近の承認情報が得られるOCEの新しいポッドキャスト「Drug Information Soundcast in Clinical Oncology(D.I.S.C.O.)」は以下を参照のこと。

www.fda.gov/DISCO

原文掲載日

翻訳西原晋

監修吉松由貴(呼吸器内科/飯塚病院)

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