[ 記事 ]

FDAが再発濾胞性リンパ腫の成人患者にcopanlisibを承認

米国食品医薬品局(FDA)は本日、2つ以上の全身化学療法による前治療歴がある再発濾胞性リンパ腫を有する成人患者の治療に、copanlisib(商品名:Aliqopa)を迅速承認した。

 

FDAのOncology Center of Excellence室長兼、同局医薬品評価研究センター血液学・腫瘍製品室室長代理であるRichard Pazdur医師は、「再発濾胞性リンパ腫患者は、複数の治療を行った後もがんを再発することが多い」と述べた。「再発濾胞性リンパ腫患者は治療選択肢が限られており、今回の承認により治療選択肢が増え、必要性が満たされる」。

 

濾胞性リンパ腫はリンパ系がんの一種で、増殖が緩徐な非ホジキンリンパ腫である。リンパ系は体の免疫系の一部であり、リンパ組織、リンパ節、脾臓、胸腺、扁桃および骨髄で構成される。米国国立衛生研究所の国立がん研究所は、今年、米国でおよそ7万2240人が何らかの非ホジキンリンパ腫の診断を受けると推定しており、およそ2万140人の非ホジキンリンパ腫患者が、2017年中にこの疾病で死亡するとしている。

 

Copanlisibはキナーゼ阻害剤の一つで、細胞増殖を促す複数の酵素を遮断することによって作用する。

 

Copanlisibは迅速承認を受けた。それにより、FDAは同疾患に対する治療法の必要性を満たすため、患者の臨床的利益が見込まれる臨床試験データを用い、重篤な病状を対象とした医薬品の承認が可能になる。Copanlisibの臨床的利益を裏付けるには追加の臨床試験が必要であり、治験依頼者はこれらの臨床試験を実施中である。

 

今回のcopanlisibの承認は、2つ以上の前治療後に再発した濾胞性B細胞非ホジキンリンパ腫患者104人を含む単一群試験のデータに基づいて行われた。試験では、治療後に腫瘍の完全な縮小または部分的な縮小が認められた患者数(全奏効率)を評価した。この試験では、患者の59%に完全奏効または部分奏効が認められた(奏効期間中央値12.2カ月)。

 

Copanlisibに多くみられる副作用は、血糖高値(高血糖)、下痢、全身の筋力および活力の減退、血圧高値(高血圧)、白血球数の低値(白血球減少、好中球減少)、悪心、下気道感染症、および血小板数の低値(血小板減少)などである。

 

重篤な副作用は、感染症、血糖高値(高血糖)、血圧高値(高血圧)、肺組織の炎症(非感染性肺臓炎)、白血球数の低値(好中球減少)、および重度の皮膚反応などである。妊娠中または授乳中の女性は、発育中の胎児または新生児に有害である可能性があるため、copanlisibを服用してはならない。

 

Copanlisib は優先審査指定を受けたが、その制度下では、その医薬品が承認された場合に、重篤な病状の治療、診断または予防において安全性または有効性が著明に改善されると当局が判断してから6カ月以内に申請に対して措置を講じる事をFDAは目標としている。

 

また、copanlisibは希少疾病用医薬品指定も受け、この指定は、希少疾病用医薬品の開発支援および開発促進に対する動機づけとなっている。

 

FDAは、Aliqopaの承認をBayer Healthcare Pharmaceuticals社に与えた。

 

添付文書はこちらから。

翻訳小石みゆき

監修喜安純一(血液内科・血液病理/飯塚病院 血液内科)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事