高用量ビタミンB6/B12長期摂取で男性の肺がんリスク上昇 | 海外がん医療情報リファレンス

高用量ビタミンB6/B12長期摂取で男性の肺がんリスク上昇

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

高用量ビタミンB6/B12長期摂取で男性の肺がんリスク上昇

オハイオ州立大学総合がんセンター

長期的な高用量のビタミンB6およびビタミンB12の補給は、活力を増進し、代謝を向上させるとビタミン・サプリメント業界が長らく宣伝しているが、非摂取者と比べて男性の肺がんのリスクが2~4倍も上昇することが新たな研究で示唆された。

 

10年間、1日にビタミンB6を20 mg以上またはビタミンB12を55 µg以上摂取していた男性喫煙者では、リスクがさらに上昇した。ビタミンB6を1日に20 mg以上摂取する男性喫煙者では、肺がんを発症するリスクが3倍であった。ビタミンB12を1日に55 µg以上摂取する男性喫煙者では、非摂取者と比べて肺がんを発症するリスクが約4倍であった。

 

オハイオ州立大学総合がんセンターArthur G. James Cancer Hospital and Richard J. Solove Research Institute (OSUCCC–James)、フレッド・ハッチンソンがん研究センターおよび国立台湾大学からの疫学者らが、Journal of Clinical Oncology誌2017年8月22日号で研究の知見を発表した。

 

本試験は、長期的な高用量ビタミンB6/B12サプリメントと肺がんリスクの影響を検討した初の前向き観察試験である。これらのサプリメントは、がんリスクを低下させると広く考えられてきている。

 

本試験では、OSUCCC – JamesのTheodore Brasky医学博士および同僚の研究者らが、コホート試験であるVITamins And Lifestyle(VITAL)試験に参加した患者77,000人以上からのデータを解析した。VITAL試験は、ビタミンや他のミネラルのサプリメントとがんリスクの関連を評価する目的でデザインされた長期前向き観察試験である。全参加者が50~76歳であり、2000~2002年の間にワシントン州で採用登録された。

 

本試験への登録にあたり、参加者は研究者らに過去10年間にわたるビタミンB摂取についての情報を報告した。ここに含まれる用量の情報は重大だが、しばしば不明であった詳細情報で、強力なリスク評価および関連性研究に必要であった。

 

この新たな解析のために、研究者らは統計的手法を用いて、喫煙歴、年齢、人種、学歴、身体の大きさ、アルコール摂取、がんまたは慢性肺疾患の既往歴、肺がんの家族歴、抗炎症薬の使用など、多数の要因に関して調整した。

 

「この調整により、他のすべての影響因子が同等になり、長期的なビタミンB6/B12の過量補給に交絡する影響を減らしているのです」とBrasky医学博士は説明した。「われわれのデータは、高用量のビタミンB6/B12を長期にわたって摂取することが男性喫煙者における肺がんの発現率上昇の一因となりうることを示しています。このことが、さらなる評価の実施に値する懸案事項であることは間違いありません」。

 

Brasky医学博士は、今回の知見は10年間毎日マルチビタミンを摂取するよりもはるかに高い用量に関するものであると述べる。

 

「これらは高用量ビタミンBサプリメントの摂取でしか得らない用量であり、これらのサプリメントは米国推奨栄養所要量の何倍もの量です」とBrasky医学博士は述べた。

 

OSUCCC–Jamesでは、高用量で長期間のビタミンB6/B12摂取と肺がんのリスクをさらに検討する追加試験2試験が進行中である。1つ目の試験は、女性ではリスクが上昇しないという現在の知見を確認するために、閉経後の女性における関連を検討する。2つ目の試験は、男性を対象として高用量ビタミンB6/B12の長期間摂取を検討する2回目の大規模な前向き試験であり、今回の試験で確認されたリスク上昇が再現されるかを検証する。

 

本試験は、米国国立衛生研究所、米国国立がん研究所(NCI)および Office of Dietary Supplementsの助成を受けた。共同研究者に、統括著者である国立台湾大学のChi-Ling Chen医学博士、フレッド・ハッチンソンがん研究センターのEmily White医学博士などがいる。

 

OSUCCC–Jamesについて

オハイオ州立大学総合がんセンターArthur G. James Cancer Hospital and Richard J. Solove Research Institute(OSUCCC–James)は、予防、診断および治療のより良い方法を導き出す戦略である質の高い教育や患者中心のケアを科学研究と統合することにより、がんなき世界の創造を目指している。OSUCCC–Jamesは、NCIが指定する総合がんセンター48施設の一つであり、新たな抗がん剤の第1相および第2相臨床試験両方を実施するためにNCIから助成を受けた数少ない施設の一つである。がんプログラムにおける308床の成人患者ケアのコンポーネントとして、OSUCCC–JamesはU.S. News & World Report誌のランキングで米国内トップクラスのがん病院の一つであり、質の高い患者ケアや専門的な看護を受けられる組織に授与される最高の栄誉であるマグネット認証を獲得している。21階建て、延べ面積110万平方フィート(約100,000平方メートル)以上のOSUCCC–Jamesは、がん研究やがん臨床の共同研究や統合を促進する変革的施設である。

原文掲載日

翻訳太田奈津美

監修吉松由貴(呼吸器内科/飯塚病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1診療時の腫瘍マーカー検査は不要な可能性
  2. 2ペムブロリズマブが治療歴ある進行再発胃がんに有望
  3. 3リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  4. 4非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  5. 5BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  6. 6DNAシーケンシング試験により希少がんに既存薬の適用...
  7. 7若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  8. 8EGFR陽性非小細胞肺がん一次治療にオシメルチニブが...
  9. 9FDAがベバシズマブ-awwbをバイオシミラーとして...
  10. 10コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他