多発性骨髄腫におけるペムブロリズマブ(キイトルーダ)の試験的使用の安全性の懸念に関するFDA声明 | 海外がん医療情報リファレンス

多発性骨髄腫におけるペムブロリズマブ(キイトルーダ)の試験的使用の安全性の懸念に関するFDA声明

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

多発性骨髄腫におけるペムブロリズマブ(キイトルーダ)の試験的使用の安全性の懸念に関するFDA声明

米国食品医薬品局(FDA)

FDA声明

多発性骨髄腫におけるペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の試験的使用の安全性の懸念に関する声明/FDA医薬品評価研究センター(CDER)長 Janet Woodcock 氏

 

臨床試験は、生命を脅かす疾患に直面している患者のための革新的で新しい治療法を市場に出す際に非常に重要な役割を果たす。これは医療革新において高揚する機会である。これまで臨床試験は、がんなどの重大な疾患をもつ患者のための喜ばしく有意義な発展を実現するのに貢献してきており、また現在も、実験的治療や併用療法、および既存療法の新しい適応を開拓するため、何千もの臨床試験が進行中である。

 

しかし、このような希望をもっても、この種の研究に参加したい患者にとって、固有のリスクがあるという理解が伴わなければならない。患者への試験が実施される以前に大きな安全性の問題が存在しないことを確認する多くの努力がなされているが、これらの試験は最終的に、治療における人々の安全性と有効性に関する重要な情報提供がなされるよう設計されている。それにより、米国食品医薬品局(FDA)は対象患者の利益がリスクに優ることを確認することができる。重大な安全問題が発生した場合、われわれはさらなる傷害または死亡を防ぐために迅速に対処しなければならない。

 

先般、がん治療薬、ペムブロリズマブと他剤との併用で新たな適応を検討する2件の臨床試験が実施された。試験を監視している研究者らは、これら他剤との併用でペムブロリズマブ投与を受けた患者の死亡が非常に多いことを見出した。

 

これらの事例では必要な措置として、安全性の問題が発覚した後、試験依頼者であるMerck社 とFDAは、患者の安全を保護するために直ちに対策を講じた。Merck社は、これらの試験への患者登録を中止し、2017年6月に当局に最初の報告書を提出した。先月、FDAはMerck社から提供された追加情報を受け、迅速に臨床試験の中止命令を出すに至った。これら2つの試験は、評価されず、当局からの承認も得ていない適応でペムブロリズマブの試験を行うものであり、現在、この試験の患者はペムブロリズマブによる治療を受けていない。

 

FDAはペムブロリズマブ試験のデータを精力的に検討し、Merck社と直接協力してこの安全性問題の真の原因をより深く解明しているところである。さらに、PD-1/PD-L1阻害薬と呼ばれるタイプのがん治療薬の提供元企業と協力し、同薬剤と、免疫調節剤として知られている他剤との併用試験、ならびに血液悪性腫瘍を対象とした他の種類の治療薬との併用試験を現在調査している。

 

FDAは、これらの試験に登録された患者が確実に保護され、医師および臨床試験の研究者がこうした試験的使用に伴うリスクを理解していることを確保するために、適切な措置を講じる予定である。

 

われわれは安全性問題の重大な性質を勘案し、医師および患者に今一度呼びかけている。ペムブロリズマブは、多発性骨髄腫の治療薬として承認しておらず、多発性骨髄腫に対してレブラミド(レナリドマイド)およびポマリスト(ポマリドマイド)などの免疫調節剤と組み合わせて患者に投与すべきではない。

 

FDAは依然として、ペムブロリズマブおよび他のPD-1/PD-L1阻害剤が、承認された適応症に対し、薬剤添付書の用法用量に従い投与されていれば、引き続き、利益はリスクを上回ることを確信している。現在治療を受けている患者の方々にそのことを知っていただきたい。承認された適応でこれらの治療を受けている患者は、医師の指導に従って治療薬を続けるべきである。

 

本日の警告は、新しい治療法の利益が患者のリスクを上回ることを保証するために、その治療法を徹底的に研究する理由の重要性を強調するものである。今後もFDAは、安全性の問題が発生した場合に患者を確実に保護するべく厳重に臨床試験(治験)を監視していく方針である。

原文掲載日

翻訳野中 希

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  4. 4BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  5. 5がんに対する標的光免疫療法の進展
  6. 6「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  7. 7HER2陽性進行乳癌治療に対する2種類の新診療ガイド...
  8. 8ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  9. 9治療が終了した後に-認知機能の変化
  10. 10リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他