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長期試験でラロキシフェンが高齢女性の乳癌リスクを減少させる

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長期試験でラロキシフェンが高齢女性の乳癌リスクを減少させる

米国国立がん研究所(NCI) 臨床試験結果

http://cancer.gov/clinicaltrials/results/raloxifene0604

(2004/6/6、更新2004/12/8) ニューオーリーンズでのASCO定例会の発表によると、Raloxifene (EvistaR) は、8年間薬を服用した骨粗鬆症の閉経後乳癌女性の乳癌浸潤リスクを大幅に減少させた。乳癌リスクの高いすべての女性に同様の予防効果があるかどうかは不明。

 

要約  raloxifene (Evista)を8年間服用した閉経後の骨粗鬆症女性において、raloxifeneは浸潤性乳癌リスクを大幅に低下させました。この長期結果により、同グループにおける初期の所見を確認しました。乳癌のリスクのある女性のすべてが同じ予防効果を得られるかどうかは分かっていません。

 

出典  2004年6月6日ニューオーリンズ米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会。最終結果は『Journal of the National Cancer Institute』2004年12月1日号(ジャーナル要旨参照)

 

背景 raloxifeneは本来骨粗鬆症の予防および治療を目的として開発され、その目的に対して現在米国食品医薬品局によって承認されています。しかし、いくつかの研究によって、raloxifeneが乳癌リスクも抑制することが示されました。Multiple Outcomes of Raloxifene(MORE)試験において、raloxifeneは4年間の乳癌発症率を、プラセボよりも72%低下させました。CORE(Continuing Outcomes Relevant to Evista)と呼ばれる本試験では、MORE試験に参加した女性に対して標準用量60mgのraloxifeneとプラセボをさらに4年間継続的に投与して比較しました。 raloxifeneとは、選択的エストロゲン受容体調整薬(SERM)と呼ばれるクラスの薬剤です。乳癌細胞にはエストロゲンに反応して増殖するものがあります。SERMは、乳腺細胞のエストロゲン受容体を阻害することによって乳癌リスクを低下させます。

 

試験  本試験の参加者は全員MORE試験に参加しており、同じ治療法、すなわちraloxifene(3,510例)またはプラセボ(1,703例)のいずれかを1日1回、継続的に服用しました。参加者はすべて閉経後の骨粗鬆症女性でした。 本試験は、カリフォルニア州サンタモニカの癌研究所メディカル・グループとJohn Wayne癌研究所のSilvana Martino整骨治療学博士が主導しました。

 

結果  CORE試験4年間の乳癌リスクは、raloxifene服用女性がプラセボ服用女性よりも59%低く、MORE試験およびCORE試験の8年間を通しては66%低くなりました。raloxifeneは特にエストロゲンに感受性のある乳腺腫瘍(いわゆるエストロゲン陽性乳腺腫瘍)を有する女性に対して有効でした。CORE試験中の浸潤性乳癌発生率は、raloxifene服用女性0.7%、プラセボ服用女性1.6%でした。 8年間に認められたraloxifeneの重篤な副作用は、静脈および肺における血栓リスク増加のみでした。raloxifeneによる卒中発作および心臓発作のリスク増加は認められませんでした。

 

制限事項  本試験には閉経後の骨粗鬆症女性しか含まれていないため、この結果が他の女性にも当てはまるかどうかは分かっていません。 コメント Martinoによると、閉経後女性が乳癌リスクを抑制するために、臨床試験以外でraloxifeneを服用することを推奨するにはまだ時期尚早です。また、raloxifeneに関連する2件の大規模試験が現在進行中であり、このうち1件は乳癌予防に関してraloxifeneとタモキシフェンを比較するSTAR試験、もう1件は乳癌および心臓問題の予防に関してraloxifeneとプラセボを比較するRUTH試験とのことです。 Martinoによると、今後数年でこれらの試験結果が得られる予定であり、乳癌リスクの高い閉経後女性がraloxifeneから利益が得られるのかどうかという問題について、より決定的な答えが得られるはずです。 血栓リスクに関してMartinoは、この副作用は重篤ではあるものの、きわめてまれであり、「全体的に、本剤の服用はきわめて安全である」と述べています。

 

(Oyoyo 訳・Dr.榎本 裕(泌尿器科) 監修)

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