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MammaPrintに関するASCOガイドライン更新

MammaPrintゲノム検査の使用に関する新たな推奨が本日発表された。この推奨は、今後早期乳がん患者に対する補助化学療法についての判断の指針になると考えられる。この推奨は、早期乳がん患者におけるバイオマーカーの利用に関する米国臨床腫瘍学会(ASCO)臨床実践ガイドライン2016年度版の最新版である。

 

「乳がん患者の中にはがんが再発する可能性がより高く、このリスクを低下させるために化学療法を受けることが望ましい方もいます」、とこのガイドライン最新情報を作成した専門家委員会の共同委員長であるVered Stearns医師は述べた。また、「いまや、医師が化学療法を必要とする女性と必要としない女性を知るのに役立つ検査のリストに MammaPrintを加えることができるのです」とも述べた。

 

2016年に MINDACTランダム化第3相臨床試験1の知見が発表された後、 MammaPrintに焦点をあてた今回の更新作業が始まった。MINDACTランダム化第3相臨床試験は、早期乳がん患者6,500人超を対象に治療決定の指針とする目的でのMammaPrint70遺伝子検査の利用を検討した。

 

「MammaPrintのスコアが低リスクである一部の女性は化学療法を必要とせず、したがって、その副作用から免れられるかもしれません」、とこのガイドライン最新情報を作成した専門家委員会の共同委員長であるIan Krop医師は述べた。また、「一方、この検査は早期乳がん患者すべてに適しているわけではありません。たとえば、HER2 陽性腫瘍患者あるいはトリプルネガティブ腫瘍患者に対しては推奨しません」。

 

ガイドライン更新の主な推奨:

 

・MINDACT試験の分類(詳細は、当該ガイドラインとともに発表されたData Supplement参照)により再発の臨床リスクが高いエストロゲン受容体陽性あるいはプロゲステロン受容体陽性のHER2 陰性リンパ節転移陰性乳がん患者において、補助全身化学療法についての判断に対し情報を提供する目的で MammaPrintアッセイを使用することができる。

 

・また、再発の臨床リスクが高く、転移陽性リンパ節を1~3個有するエストロゲン受容体陽性あるいはプロゲステロン受容体陽性のHER2 陰性リンパ節転移陰性乳がんにおいてMammaPrintを使用することができる。

 

・MammaPrintスコアが低く、これらの基準のうちいずれかを満たす患者は、化学療法により相当な付加的利益が得られる可能性は低いため、ホルモン療法のみで治療することができる。

 

・MINDACT試験の分類により再発の臨床リスクが低い患者にはMammaPrintを使用してはならない。

 

「早期浸潤性乳がん患者に対する補助全身療法に関する判断の指針となるバイオマーカーの利用:MammaPrintに焦点を当てた米国臨床腫瘍学会臨床実践ガイドライン更新情報」は、本日 Journal of Clinical Oncology誌に掲載された。

 

170-Gene Signature as an Aid to Treatment Decisions in Early-Stage Breast Cancer. N Engl J Med 2016; 375: 717-29.

 

翻訳三浦恵子

監修小坂泰二郎(乳腺外科/彩の国東大宮メディカルセンター)

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