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フォロデシン塩酸塩が難治性リンパ腫治療薬として日本で承認

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フォロデシン塩酸塩が難治性リンパ腫治療薬として日本で承認

アルバート・アインシュタイン医科大学

日本は、アルバート・アインシュタイン医科大学が研究開発したリンパ腫治療薬の最初の承認国となった。これは、アインシュタイン医科大学が認可を受けた薬剤として、患者への使用を承認された最初の薬剤となる。

 

新しい経口薬フォロデシン塩酸塩(販売名:ムンデシン)は、アインシュタイン医科大学で考え出され、ニュージーランドのVictoria University of Wellingtonで合成された。本薬剤の開発にあたっては、アインシュタイン医科大学生化学教授であり、Ruth Merns ChairであるVern Schramm博士によって開発された酵素阻害技術を使用している。これは、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)と呼ばれるタイプのリンパ腫患者を治療するものである。PTCLとは患者のT細胞が腫瘍化する悪性疾患で、非ホジキンリンパ腫全症例のうち10〜15%を占めている。PTCLは米国ではまれであるが、アジア、アフリカ、カリブ海では米国より多く見られる。これは、エプスタイン・バーウイルスやヒトT細胞白血病ウイルスなどのウイルスに暴露されているからではないかと考えられている。

 

フォロデシン塩酸塩は、PTCLが再発した患者または難治性(治療抵抗性)の患者に限定して承認された。これまで、PTCLに対する効果的な治療はほとんどなかった。化学療法後に再発したPTCL患者の生存期間は、これまでのところ平均でわずか6カ月である。

 

Schramm博士は、「この薬剤は、われわれがデザインした新規治療薬のうち初めて承認されたものです。再発性または難治性PTCL患者に対して効果的な治療を行うことは難しいと考えられてきたが、本薬剤の承認はさらなる治療の機会を提供する上で重要なステップと考えられます。今回の承認は、科学的発見が患者の生存に寄与する目的にに応用されるという、アインシュタイン医科大学におけるバイオメディカル研究が究極の目標としているものです」と述べる。

 

Schramm博士の先駆的研究は、重要な酵素を機能させないようにする遷移状態類似体と呼ばれる分子の生成に関わる。彼の発見は、がん、抗生物質に対する耐性や自己免疫疾患を治療するための新たな強力な方法につながった。PTCLの研究におけるSchramm博士の目標は、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)という酵素を阻害することであった。PNPがブロックされると、PTCLのがん細胞が死滅する。

 

PNPをブロックするため、Schramm博士らは初めに、PNPの瞬時の「遷移状態」、すなわち、酵素がある化学物質を別の化学物質に変換する際に10億分の1秒未満で形成される構造を解読した。次のステップは、PNPの遷移状態構造によく似た化学物質を設計することであった。その化学物質、フォロデシン塩酸塩は、その後、経口医薬品に製剤された。本剤は、PTCL患者のT細胞のPNP分子に結合してPNPを離さないため、PNPを強力に阻害する。

 

PNPのがん性T細胞が飢餓状態の時には、2′-デオキシグアノシン三リン酸と呼ばれる化学物質がT細胞中に蓄積する。この蓄積はプログラム細胞死の一種であるアポトーシスを誘発し、T細胞が死滅する。

 

フォロデシン塩酸塩は日本では、19件の臨床試験に基づいて承認された。本剤は、国立衛生研究所の総合医学研究所の支援を受けて、Schramm博士の研究室で最初に考案された。その化学合成は、ニュージーランドのVictoria University of Wellingtonにおいて、Peter Tyler博士、Richard Furneaux博士との共同研究で達成された。アインシュタイン医科大学は、PNP阻害剤のポートフォリオをBioCryst Pharmaceuticals社にライセンス供与した。その後、BioCryst社は腫瘍学領域におけるフォロデシンの開発と商品化を目的として、ムンディファーマ社と独占的サブライセンス契約を締結した。

原文掲載日

翻訳江澤逸子

監修佐々木裕哉(血液内科・血液病理/久留米大学病院)

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